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【ナイルの風 中東のまつりごと】(14)「シーア派の侵略、始まった」 (1/4ページ)

2009.1.5 08:19
このニュースのトピックスイラク情勢
2006年2月、イラクの首都バグダッド北方のサマラで起きたイスラム教シーア派のアスカリ聖廟(せいびょう)爆破事件に抗議し、シーア派の反米指導者、サドル師の写真を掲げてバグダッド市内をデモするシーア派住民。聖廟爆破事件は、シーア、スンニ両派の血で血を洗う宗派抗争に火をつけるきっかけとなった(AP)2006年2月、イラクの首都バグダッド北方のサマラで起きたイスラム教シーア派のアスカリ聖廟(せいびょう)爆破事件に抗議し、シーア派の反米指導者、サドル師の写真を掲げてバグダッド市内をデモするシーア派住民。聖廟爆破事件は、シーア、スンニ両派の血で血を洗う宗派抗争に火をつけるきっかけとなった(AP)

 

スンニ派の著名法学者が警告

 「シーア派が、もともとスンニ派の国々に浸透している。われわれは、シーア派の侵略からスンニ派の社会を防衛しなくてはならない」

 現代アラブ世界の代表的なイスラム教スンニ派の法学者の一人で、比較的穏健なイスラム主義者として知られるエジプト人のユーセフ・カラダーウィー(82)が2008年9月、汎アラブ有力紙アッシャルクルアウサト(ロンドン発行)やエジプト独立系紙マスリルヨウムで、あまりにも唐突にみえるシーア派非難を炸裂(さくれつ)させた。

 「20年前、エジプトにシーア派など一人もいなかった。それが残念なことに、いまや新聞に寄稿したり、テレビに登場したりして声を上げるようになった」

 「(スンニ派が多数を占めている)アラブの国々はシーア派に敗北した。エジプトばかりでなく、スーダン、モロッコ、アルジェリアなどもそうだ。さらにマレーシアやインドネシア、ナイジェリアといった(非アラブの)イスラム教国にも浸透している」

 現在カタールに住むカラダーウィーは、エジプトに一時帰国した際の本紙とのインタビューでも、「(スンニ派とシーア派の違いは)法学解釈の違いの域にとどまる問題ではなく、基本的な教義にかかわる。シーア派は、迫害を受けたときに本当の信仰を隠す『タキーヤ(信仰擬装)』という考え方を用いてスンニ派の社会に入り込んでくる。われわれは、その危険性を十分に警告しなければならない」と強調した。

                 

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 スンニ派の最高学府であるカイロのアズハル大学に学んだカラダーウィーは、エジプト発祥のイスラム原理主義組織ムスリム同胞団に所属したこともある。いまや同胞団の枠を超えたイスラム法学者としての地位を確立し、アラビア語衛星テレビ局アルジャジーラでは長年、視聴者からの質問に回答する「シャリーア(イスラム法)と人生」という人気番組を担当している。世界のイスラム教徒への影響力と知名度はナンバーワンといってもいい存在だ。

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2006年2月、イラクの首都バグダッド北方のサマラで起きたイスラム教シーア派のアスカリ聖廟(せいびょう)爆破事件に抗議し、シーア派の反米指導者、サドル師の写真を掲げてバグダッド市内をデモするシーア派住民。聖廟爆破事件は、シーア、スンニ両派の血で血を洗う宗派抗争に火をつけるきっかけとなった(AP)
06年2月22日に爆破され、無残な姿をさらすアスカリ聖廟。シーア派の第10代、第11代イマーム(無謬の指導者)の墓があり、イラク4大聖廟のひとつとされる(AP)
現代アラブの代表的なイスラム教スンニ派の法学者の1人、ユーセフ・カラダーウィー師(撮影・村上大介)
エジプトのアハラム戦略研究所主任研究員、ディヤー・ラシュワーン氏(撮影・村上大介)
エジプトのイスラム教シーア派団体「アーリルバイトを守る最高評議会」のムハンマド・ディリーニー氏(撮影・村上大介)

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