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レバノンの美人歌手殺害 エジプト国会議員を逮捕

2008.9.3 20:13
このニュースのトピックス中東
殺害された歌手、スザンヌ・タミームさんの葬儀=8月4日、ベイルート(ロイター)殺害された歌手、スザンヌ・タミームさんの葬儀=8月4日、ベイルート(ロイター)

 【カイロ=村上大介】エジプト検察当局は2日、レバノン人女性歌手、スザンヌ・タミームさん(30)殺害を指示した疑いで、エジプトの上院に当たる諮問評議会のヒシャーム・タルアト・ムスタファー議員(49)を逮捕、起訴した。ムスタファー被告は、不動産開発を中心として約30社を束ねるエジプト有数の財閥の総帥で、ムバラク大統領の有力後継者である次男、ガマル氏の取り巻きの一人とされる。

 タミームさんは7月28日、アラブ首長国連邦ドバイの高級マンションで数十カ所を刺されて死亡しているのが見つかった。検察の発表によると、ムスタファー被告は自分が建設したホテルで警備を担当していた元警官(准将)に200万ドル(約2億1600万円)の報酬を払い、タミームさん殺害を指示した疑い。

 タミームさんは1996年にレバノンでデビューし、2人目の夫の音楽プロデューサーと金銭問題などでもめ、エジプトに活動拠点を移した。同被告とは約3年間にわたって関係を続けていたとされるが、2007年に突然、芸能活動を中断、姿を消していた。

 ムスタファー被告に近いガマル氏は、市場経済の徹底的な導入に向けた経済改革を進め、有力財界人を与党幹部に登用。同被告は、上院経済委員長や与党・国民民主党(NDP)の政策委員会書記を務めていた。

 殺害指示の動機は明らかになっていないが、男女の痴情関係のもつれだけではなく、「タミームさんがムスタファー被告と交際中に同被告の財閥の不正や腐敗に関する内部事情を知り得たことから、口封じの必要が生じた」(地元紙編集長)との憶測も出ている。

 エジプト独立系紙ドゥストゥールが8月初め、「事件に『エジプトの有力者』が関与している」と報じ、政府は同紙を一時発禁処分にした。しかし、事件直後に実行犯の一人が「エジプト以外のアラブ国」でドバイ捜査当局に逮捕されたことから、エジプト側のもみ消しが難しくなったとの観測も出ている。ドバイは被告引き渡しを求めているがエジプトは拒否している。

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殺害された歌手、スザンヌ・タミームさんの葬儀=8月4日、ベイルート(ロイター)
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