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露核燃料移送 反欧米の動き加速
【モスクワ=内藤泰朗】ロシアが、核開発疑惑のもたれるイランに初の核燃料を移送したことは、両国が今後、反欧米的な「同盟」構築に向けてさらに関係を発展させていくことを意味する。世界の2大エネルギー大国が「パートナーを超えた関係」(国営ロシア通信)を目指して動き出したことで、今後、反欧米的な動きが一層活発化してくることになるだろう。
ロシア外務省は17日、イラン向けロシア製核燃料の取り扱いが「国際原子力機関(IAEA)の監督下で行われており、一切問題はない」との声明を発表。さらに、ロシアの核燃料が、同国が建設したイラン・ブシェール原発だけで使われることをイラン側が確約した文書を提出したことを明らかにした。
そのうえで、イランが国際社会で信頼を回復するうえで「質的に新しい状況が醸成された」と強調してみせた。
しかし、イランは核開発に関連してすでに国連から制裁を受けている。そのうえ、同国政府高官は17日、ロイター通信に対し、ロシア製核燃料が移送されても、イランが独自に核燃料の濃縮を続ける姿勢を示した。
そうしたイラン側の姿勢にもかかわらず、ロシア側が協力の深化に踏み切ったのはまず、「イランは、ロシアの協力の有無にかかわらず独自の核開発を進めていく。ロシアは『対立』ではなく、『協力』をすることによって説得していく」という現実主義が根底にある。「協力」によってロシアは経済的な利益を得る。
イランは今後、総額10億ドル(約1100億円)でブシェール級原発を20基建設する計画を立てている。
さらに、世界第1位と2位の埋蔵量を誇る天然ガス大国のロシアとイランの協力は、将来的に価格を独占的に決められる「天然ガス版OPEC(石油輸出国機構)」の創設も夢ではなくなる。イランだけでなく、中央アジア諸国を巻き込み、ロシアが主導する新たな経済圏を創設することにもつながる。
一方、イランが核兵器の製造に近づいても、ロシアは原発協力はIAEAの監督下で行われ、イランの“誓約書”もあり、ロシア側に核技術拡散の責任はないと弁解できる。