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陣痛女性に非情の銃弾 バグダッドの出産事情 (1/2ページ)
このニュースのトピックス:イラク情勢
11月27日、おなかの9カ月になった赤ちゃんの経過観察のため、バグダッド中心部の病院を訪れたシーナ・ハミドさん(左)と看護士。約2年前に亡くした両親と双子の赤ちゃんを思い、今も黒の喪服姿を通している(共同)夜間外出禁止令下のイラクの首都バグダッド。日没後、陣痛の女性を乗せ、病院に急ぐ車両に米軍から非情の銃弾が浴びせられる。イラクでは米軍の増派などのため、首都など一部でテロや攻撃が減少、治安が改善傾向にあるとされる。しかし女性たちは喜びに満ちたはずの出産ですら、命懸けで臨まざるを得ない。
警告なしの発砲
バグダッド東部、新バグダッド地区。妊娠8カ月だった主婦シーナ・ハミドさん(24)は昨年1月の深夜、突然陣痛を訴えた。しかし夜の病院行きは極めて危険。夜間外出禁止令下のバグダッドでの車の運転は、米兵やイラク警察の拘束や攻撃を受ける恐れがあるだけでなく、民兵が設けた“死の検問所”さえある。
しかし娘の窮状を見かねたシーナさんの父親ハミドさん(62)はハンドルを握ることにした。助手席に母親ファウザヤさん(57)、後部座席のシーナさんには夫のヒクマトさん(32)が付き添う。最初の警察検問所は無事通過したが、悲劇はその直後に起きた。右側通行の道路を逆走してきた米軍車列が警告なしに発砲してきたのだ。
「撃たないでくれ」。必死に手を振るヒクマトさんは肩に被弾した。悲鳴を上げるシーナさん。近づいた米兵にヒクマトさんは「助けて」と叫んだが、米兵は何もせずに立ち去ったという。
両親はほぼ即死だった。シーナさんらは警察に救助され病院に搬送されたが、男女双子の赤ちゃんは死亡していた。
転院の途中で
イスラム教シーア派が多数を占めるバグダッド北部のカドミヤ病院。産婦人科医で、自らも10月4日に男児を出産したばかりのワフワ・サレハ医師(35)は「夜間陣痛を迎えた女性が病院に急行する途中、米兵に銃撃される例は枚挙にいとまがない」と話す。
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