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【竹島問題】日米同盟、黄金時代の終焉

2008.7.31 23:22
このニュースのトピックス「竹島」問題

 ■村田晃嗣・同志社大教授

 米政府機関の地名委員会が竹島の帰属先を「韓国」に再変更したが、米政府はそもそも「主権未指定」にしなければよかったのだ。このような調整ができないほど、ブッシュ政権はすでに政権末期の状況に陥っている。また、対応が二転三転することは、日本と韓国の同盟国に対する配慮を欠いているといえる。

 再変更による米国の政治的意図は明らかだ。ブッシュ大統領が8月5日から訪韓するが、米韓自由貿易協定(FTA)はこじれ、米国産牛肉輸入問題で李明博政権は立ちゆかない状態にある。ブッシュ政権としては李政権に安定してもらいたいことから、韓国世論に迎合したのだ。

 米国がこうした方針を取った別の背景として2通りの解釈ができる。1つは、北朝鮮の核開発をめぐる6カ国協議で米国は、韓国の協力を必要としていることがある。日本が現時点で対北エネルギー支援に加わることができない状況では、韓国に肩代わりをしてもらうしかない。

 2つ目は、日本の民主主義の方が韓国よりも信頼が高く、日米同盟の方が米韓同盟よりも成熟している点を考慮し、再変更によっても日本世論は冷静に対応してくれるだろうとの信頼感がある。

 しかし、米国内には日本に対する、ある種の失望感があるとも考えるべきだろう。憶測の域を出ないが、米国の対日姿勢が、関係が良好だった小泉、安倍両政権からそれほど時を経ずにこのように変わったのは、福田政権が集団的自衛権見直しに消極的な姿勢をとっていることもあるかもしれない。インド洋での海上自衛隊の補給活動と、航空自衛隊のイラクでの活動から撤退するという日本政府の方針も影響しているのではないか。小泉・ブッシュ時代のような日米同盟の黄金時代が過ぎ去ったことは明らかだ。

 日本政府は韓国と同じレベルで反応せず、冷静な態度を取るべきだ。そうした対応をとることで、日本人拉致事件で北朝鮮に解決に向けて一層の圧力をかけるよう約束を迫るべきだ。さらに、国内の政局を安定させ、日本外交の制約を取り払うことが必要だ。(談)

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