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【主張】6カ国協議 北のじらし戦術に乗るな

2008.4.10 03:55
このニュースのトピックス主張

 北朝鮮核問題の「第2段階の措置」を定めた6カ国合意が進まないまま6カ月が過ぎた。シンガポールの米朝協議の「進展」を受けて北京で各国の協議が行われたが、核廃棄への確かな道はまだ見えていない。

 昨年2月と10月の6カ国協議では、寧辺の核施設停止などの「初期段階措置」に続き、北朝鮮が年内に核施設の無能力化と核計画の「完全かつ正確な申告」を果たして現地査察や廃棄作業を含む次の段階へ進む約束となっていた。

 ところが、北朝鮮は「ウラン濃縮も拡散行為もない」と否定し、中身のない申告で突っぱねてきたのがこれまでの経過だ。

 申告が核問題全体の「急所」であることはいうまでもない。北朝鮮が保有するプルトニウム総量に加えて、その後発覚したウラン濃縮活動やシリアなど第三国への核拡散行為の全容が解明されなければ、「すべての核兵器・計画の廃棄」(6カ国共同声明)は実現すべくもないからだ。

 申告をめぐる政治外交環境も要注意だ。ブッシュ米政権の残り任期は9カ月余となり、核廃棄プロセスの進展を示す必要にかられている。これに対して、北朝鮮は米大統領選の動向も見定めながら、米国をじらせて有利な譲歩を得ようとする姿勢にみえる。

 とくに米国は申告問題の解決の見返りに、北朝鮮に対するテロ支援国指定解除に踏み切る方針とされ、拉致問題を抱える日本はきわめて難しい判断を強いられる。

 日本政府は拉致問題を「現在も進行中の国家テロ」として、米国が安易に見切り発車しないよう求めてきた。昨年末、衆参両院で超党派の指定解除反対決議が採択されたことも、日本政府・世論の強い意志を示すものだ。指定解除への懸念は米議会にもあり、米政府が対応を誤れば、日米同盟関係を損なう恐れもなくはない。

 6カ国協議の最大の目標は、北朝鮮の核を完全廃棄し、朝鮮半島の非核化を達成することにある。日本も外交努力を集中するのは当然だが、拉致問題がなおざりにされるのでは問題だ。

 日米両国が進むべき方向は同盟を強化しつつ、核も拉致も着実に前進させることだ。ブッシュ政権は北の「じらし戦術」に乗せられてはならない。申告問題の内容を精査するとともに、核廃棄の全体プロセスの中で指定解除の位置づけを見直してもらいたい。

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