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【主張】6カ国協議 問題点の多い合意内容だ
北朝鮮の核問題をめぐる「第2段階の措置」を定めた6カ国協議合意文書が正式発表された。寧辺の3施設の無能力化と核計画の完全な申告を12月31日までに完了させる内容で、テロ支援国家の指定解除時期は明示されていない。
先月末に終わった今回の協議では、第2段階措置を履行するための詳細な行程表(ロードマップ)の確定をめざしていた。しかし、合意の内容はとても詳細とは呼べず、多くのあいまいな要素が残されたのは問題だ。
第1に、年内完了が明記された無能力化の対象は(1)実験用黒鉛炉(2)使用済み核燃料棒再処理施設(3)核燃料棒製造工場−の3カ所に限られている。既存の核実験用施設や、北朝鮮があいまいにしてきたウラン濃縮に関連した施設などには言及していない。
また無能力化の定義や方法も「科学的、安全、検証可能」などの原則に沿って「6カ国首席代表が定める」とされ、事実上先送りされてしまった。
第2に、年内に「すべての核計画の完全かつ正確な申告を行う」と明記されたものの、すでに兵器化されたプルトニウム(約50キロ)や濃縮ウランを含む核物質、起爆装置などが網羅されるかどうかは確実とはいえない。
米政府は3施設の無能力化によって「プルトニウムの増産をストップできる」と歓迎している。だが、そもそも増産阻止は核廃棄への第一歩にすぎない。既存の核物質の総量や兵器化の有無についても詳細に詰めた上で廃棄の道筋をつけなければ、朝鮮半島の非核化がおぼつかないのは明らかだ。
北朝鮮が米国に求めるテロ支援国家指定解除について「北朝鮮の行動に合わせて約束を履行する」との表現にとどまり、時期を明示させなかったのは日本の外交努力の結果だろう。それでも、無能力化と核計画申告の見返りとして北朝鮮が指定解除を迫ってくるとの見方は強い。日本にとってはきわめて要注意の段階に入った。
拉致問題について、日本政府は「現在も進行中の国家テロ」との認識に立って解決に努め、米国にも理解と協力を求めてきた。米政府は目先のことにとらわれて、前のめりに陥ってはならない。核と拉致で着実に前進させるために、日米外交の緊密な連携と協力がますます問われている。