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【外信コラム】イタリア便り 十字架の行方
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首都ローマの真ん中にカトリック教の本山のバチカン市国を抱え、1948年に共和国になるまではカトリック教が国教であったイタリアでは、現在も小学校で希望者にはカトリック教についての授業が行われているし、教室内には十字架が掛けられている。
だが、イタリアが共和国になり憲法で信仰の自由が定められ、しかもイスラム教徒を主体とする多数の異教徒移民が流入するようになると、教室の十字架が非カトリック教徒からの攻撃の的になるようになった。
この結果、2002年にフィンランド人の妻を持つ北伊のある医者が「自分の子供がカトリック教徒でないためいじめに遭った」として、ストラスブールの欧州連合(EU)人権裁判所に「教室から十字架を外させるように」との訴えを起こした。
5日程前に、人権裁判所が訴えをもっともだとして、イタリアの学校の教室から十字架を外すよう裁定を下したから大変。
もちろん、この判決に賛意を表明する政治家もいるが、左右政党ともに大部分の政治家は「イタリアのカトリック的伝統は無視できないし、十字架は思想的シンボルではなく、教室にあっても誰をも侮辱するものでもない」として、判決に反対の声を上げた。
欧州連合(EU)の中でもフランスをはじめ多くの国が、公共の場所に十字架をかけるのを禁止している。とはいえ、EU加盟国の伝統まで統一するのは不可能だろうに。(坂本鉄男)
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