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【外信コラム】ベルリン物語 ドイツ人とチベット
このニュースのトピックス:チベット
ベルリンの東洋美術館で先日、ベルリン自由大学のヨルク・アイヒラー教授主宰の「チベット写真展」があった。真っ赤な寺院の背後に広がる雄大な自然や、道路に腹ばいとなりながら祈りをささげる女性の姿など、教授が2004年と06年にチベットを訪問した際に撮影したスライド写真約130枚が披露された。
チベット騒乱から半年以上がたったが、会場には100人以上が集まった。ドイツではチベットへの関心が非常に強く、ダライ・ラマ14世が5月中旬にベルリンで演説した際に約2万5000人が押し寄せたほどだ。
ドイツ人がチベットになぜ、これほど関心を寄せるのか、いつも不思議でならなかったが、写真展に来ていたある女性建築家の話を聞いて、少し納得した。彼女いわく「ナチスの“過去”をもつドイツ人は戦後、暴力に極端に敏感となった。多くのドイツ人にとって、仏教は平和のシンボルとして映っている」。
メルケル首相のチベット政策にも力がこもっており、ダライ・ラマが昨秋、ベルリンを訪問した際には中国の意向を無視してドイツ首相として初めて会談した。独裁国家の旧東ドイツで育ち、人権侵害を容赦できないという首相の独自の哲学に基づくことは言うまでもないだろう。
ナチスと旧東独−。ドイツではチベット問題を語るときですら、2つの“過去”を抜きにできないのである。(黒沢潤)
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