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国民は突然知った!GDP10倍の借金 アイスランド崩壊の危機 (1/5ページ)
米連邦準備制度理事会(FRB)のグリーンスパン前議長が「世紀のツナミ(津波)」と表現した金融危機に直撃された世界最北の島国アイスランド。国内大手3行の借金は国内総生産(GDP)の10倍以上にのぼる。自国通貨は暴落した。高金利、インフレ、失業…。32万人の国民は、政府や中央銀行への怒りを爆発させていた。(レイキャビク 木村正人、写真も)
《怒りのデモ行進》
「辞めろ!」。1日、首都レイキャビクの目抜き通り。3000人がオッドソン中央銀行総裁(議長)とハーデ首相の辞任を求めデモ行進した。総裁の人形が“絞首刑”にされ、ブタの鼻をつけたハーデ首相の写真をプリントしたTシャツが掲げられた。コンピューター・エンジニアのバアルソンさん(52)は「国民がこれだけ集まり抗議するのは前代未聞だ。私たちは銀行がこんなに肥大化しているとは知らなかった」と怒りをあらわにした。
国内大手3行の莫大(ばくだい)な借金により、金融システムのみならず、国そのものが吹き飛びかねない危機に直面していることを国民が知ったのは、10月6日深夜のことだ。すべての銀行を国有化する法律の成立を受け、ハーデ首相がテレビで演説し「最悪の場合、国家が崩壊する恐れすらある」と明らかにしたのだ。
日本円に換算するとアイスランドの名目GDPは約2兆円(昨年推定)、今年の国家予算は約2800億円。これは、47都道府県で最下位の鳥取県の予算と県内総生産をもやや下回る。大手3行の借金は20兆円にものぼり、通貨クローナの暴落で実質的な返済額は倍に膨れ上がったとみらる。
今後の経済予測も深刻だ。経済規模は最大10%縮小し、1%台だった失業率は金融、建設などを中心に8%に、インフレ率は20%に達する−。心臓と血管にあたる金融機関が機能を失えば、国の経済は死滅しかねない。国が支えようにも、国も、通貨の影響力もあまりに小さすぎた。ハーデ首相の「国家崩壊」の意味もここにある。



