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仏核廃棄物漏出事故、「緑のエネルギー」原発に冷水

2008.7.19 21:05
このニュースのトピックス欧州

 【パリ=山口昌子】「原発王国」フランスの2カ所の核関連施設で、8日と18日に相次いで放射性廃液の漏出事故が発生したことで、新しい「緑のエネルギー」として注目を集めている原発が冷や水を浴びせられる結果となった。

 19日付の仏紙はいっせいに事故を1面で報道。政府と施設の親会社である原子力産業大手アレバに事故原因の究明や情報の透明性を迫った。

 ボルロー環境エネルギー相は18日、核施設の「監査強化」を命じ、アレバのロベルジョン社長も同日の記者会見で「2007年に評価尺度1の事故が7回あった」ことを指摘。今回の2カ所の漏出事故は仏核安全局(ASN)が汚染地域の土壌などの検査の結果、0〜7まで8段階の評価で下から2番目の1と評価されたところから「事故が軽度である」ことを強調した。しかし、19日付のフィガロは、評価尺度1の事故は1年に約100回発生していると報じ、事故は氷山の一角であるとの見方を伝えた。

 フランスは1970年代初頭の石油危機で「エネルギーの独立」を掲げ、石油に依存しない原発に力を入た結果、電力の78%を原発に依存している。サルコジ大統領は7月初めに、アレバとドイツ企業シーメンスの共同製造による2基目の新型原発の建設を発表し、今後も原発産業に力を入れる方針を示した矢先の事故だった。

 原発の寿命は約40年といわれるが、8日に事故が発生した仏南部ボークリューズ県トリカスタン核施設センター内のウラン溶液処理施設は74年建造。18日に事故が起きた仏東南部ドローム県の核廃棄物工場などの施設も同様に劣化を起こす時期に来ていたとされる。

 フランスは86年のチェルノブイリ事故で放射性物質が飛散した際、イタリアなどが野菜の汚染を国民に警告したのに対し、仏国境内には流入していないと発表、数年後に訂正した経緯がある。今回はボークリューズ県選出の与党・国民運動連合(UMP)と社会党の議員が18日、共同声明を発表し、事故調査委員会の設置を要請するなど国民の関心も高まっており、政府も本腰を入れて安全対策を講じざるをえない情勢だ。

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