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【地球をどうしますか 環境2008】中央アジア諸国 水めぐる対立 (3/3ページ)
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□干上がった湖 アラル海
■水量回復、芽生えた希望
たどり着いた漁村に「海岸」はなかった。カザフスタンとウズベキスタンにまたがる内水湖のアラル海。その北部、ブグニ村の漁師らは、15キロ先に遠ざかった海まで、砂嵐の中をトラックやバイクで走り抜け、漁に出る。
かつて6・8万平方キロと、北海道(8・3万平方キロ)よりやや狭い、世界第4位の湖面積を誇ったアラル海は、ソ連時代の1960年代に干上がり始めた。89年には北側の小アラルと南側の大アラルに分かれ、湖面積も現在は4分の1ほどだ。「水中の塩分濃度が急激に上昇し多くの魚類が死滅した。、干上がった地面から塩分を含む塵(ちり)が遠方まで飛散し、地球規模の気候変動に影響している」(現地環境調査官、カイルベク氏)という。
原因は、旧ソ連政府の無謀ともいえる農業政策にある。アラル海に流入するシル川とアム川の流域を砂漠から農業地帯に変えようと、ソ連は両河川から無数の運河を引く大規模な潅漑(かんがい)事業を行った。その結果、中央アジアは綿花などの一大生産拠点となったものの、アラル海の縮小と水不足の深刻化を招いたのだ。
2005年には、小アラルから大アラルへの水の流れを止めるべく、世界銀行などの出資で堰(せき)が建設され、小アラルについては水量や水産資源が若干、回復した。NGO(非政府組織)の支援を受け、1990年代には壊滅状態にあった漁業も、徐々にだが復活している。
ベテラン漁師のカラトゥポフさん(66)は「私たちには漁業しかないというのに、海岸はどんどん後退し、多くの者が村を去った」と振り返る。そして「今はスズキなど4種類の魚が獲れる。60年代と比べれば2割の漁獲高しかないが、希望は芽生えている」と話す。
だが、かつてのアラル海を取り戻すこと、とりわけ大アラルを救うことは絶望的だという。ソ連時代の農業政策の「負の遺産」は、かくも大きい。
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