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【音楽の政治学】独立指導者が聞いた「歓喜の歌」 コソボ (2/2ページ)
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サチ氏は英仏独語を習得し、国際関係と歴史を学び祖国に帰還した。やがてKLA幹部として台頭した。90年代後半、ソ連製のカラシニコフ銃を担いで村々を転戦し、仲間が壮絶な攻撃で戦死するを生き延びた。敵軍には「蛇」と呼ばれたほどだ。
今年1月に首相となったサチ氏は今、カリスマ的存在として異彩を放つ。故郷には、KLA指導者で“独立の父”のアデム・ヤシャリ氏(98年戦死)に目をかけられる若きサチ氏の写真が、随所に飾られている。
独立の喜びに沸く祝賀演奏会の当日、サチ氏の脳裏に去来したものは何だったのだろう。独立に至るまで辛酸をなめ続けたアルバニア系住民の試練に思いを馳せたにちがいない。
サチ氏は終始、厳しい目つきで指揮者の激しい動きを見つめていたのが印象的だった。自由への喜びに心が解き放たれ、同時に、喜びの先にある「将来への重圧」を、ずしりと感じているように思えた。
(コソボ・プリシュティナ 黒沢潤、写真も)

