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【音楽の政治学】独立指導者が聞いた「歓喜の歌」 コソボ (1/2ページ)
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コソボがセルビアから独立を宣言した2月中旬、最大都市プリシュティナで行われた祝賀演奏会。そこには、コソボ紛争(1998〜99年)時のアルバニア系武装組織「コソボ解放軍」(KLA)の指導者も務めたサチ首相(39)の姿があった。目の下の黒いくまが、紛争時の苦難を今なお物語っているように見えた。
演奏された曲はベートーベンの「歓喜の歌」。ドイツの文豪シラーの詩を基に作曲され、崇高な人類愛を唱ったこの余りにも有名な曲は、東西ドイツ統一の式典でも演奏された。
♪歓喜よ、美しい神々の火花よ、私たちは炎のような情熱に酔い、崇高な天空のかなたにある貴方の聖地に踏み入る。時流が厳しく引き裂いたものを貴方の威力が再び結びつける。貴方の柔らかな翼のもと、すべての人々は兄弟となる
難聴や経済的な苦難、そしてナポレオン帝政への失望の中にあってベートーベンが完成させたこの力作を、サチ氏が感慨深く聞いたのは間違いない。
サチ氏はセルビア側による虐殺の舞台となったドレニツァの出身だ。90年代にスイスで難民として机を並べた友人(36)は「彼はろくに靴も買えない貧しい家で育った。学校では戦いばかり口にし周囲を閉口させた」と振り返る。

