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【音楽の政治学】セルビアへの抵抗歌 パトリオティッケ  (2/3ページ)

2008.3.1 15:17
このニュースのトピックス音楽の政治学
兄のチャズィムさん(左)と「パトリオティッケ」を歌うエンベルさん(黒沢潤撮影)兄のチャズィムさん(左)と「パトリオティッケ」を歌うエンベルさん(黒沢潤撮影)

 エンベルさんは他の「パトリオティッケ」の歌手とは一線を画す。セルビア兵に暴行された住民がいると聞くと、現場を訪れて歌にする。約10年前のコソボ紛争後には、親族を失った家族を訪ねて、40の歌を作った。

 エンベルさんはかつて歴史学の大学教授にこう言われたことがある。「私は紛争の歴史に関する本を10年かけて書く。あなたは新聞記者のように、遺族を訪ねて、詳細に取材し、綿密に練った歌をみんなに聞かせる。人々の心に訴えかける力は私の本など足下にも及ばない」と。

 数百曲も歌う「パトリオティッケ」の中でも、涙なくしては歌えないものがあるという。コソボ紛争時に新ユーゴ軍に殺されたいとこ(22)の歌だ。

 「コソボがお前を呼んでいる。お前は(出稼ぎ先の)ドイツからやってきた。祖国のためにだ。母親は(気を失って)倒れている…」

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兄のチャズィムさん(左)と「パトリオティッケ」を歌うエンベルさん(黒沢潤撮影)
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