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【音楽の政治学】セルビアへの抵抗歌 パトリオティッケ  (1/3ページ)

2008.3.1 15:17
このニュースのトピックス音楽の政治学
兄のチャズィムさん(左)と「パトリオティッケ」を歌うエンベルさん(黒沢潤撮影)兄のチャズィムさん(左)と「パトリオティッケ」を歌うエンベルさん(黒沢潤撮影)

 長い間、セルビアに抑圧されてきたコソボのアルバニア系住民の間に伝わるセルビアへの抵抗歌がある。「パトリオティッケ」と呼ばれ、“愛国歌”でもある。コソボが独立を宣言した2月17日、最大都市プリシュティナのグランドホテル前には、琵琶に似た伝統楽器を手に朗々と歌う年配者の姿があった。

 「パトリオティッケ」は、セルビア人とアルバニア人の歴史的な戦いのありさまを描き、戦いで家族を失った人々の思いを込めたものだ。コソボでは数百年にわたり歌い継がれてきた。

 ニワトリの鳴き声が響くコソボ東部の山深き里、バトラバに「パトリオティッケ」の歌い手がいた。50代のエンベル・バトラバさん。父親の故アデムさんが幼少期に口ずさんだのがきっかけで、一家は歌に携わるようになり、家族9人が歌手だ。

 アデムさんがまだ母親の胎内にいた第一次大戦中、ドイツ軍がこの村を襲撃。母親は独軍に剣で左腕を切り付けられ、村も徹底的に焼き討ちされた。エンベルさんは「村人はこれらのドイツ人たちを(第二次大戦中と同じく)ナチスと呼ぶ。父親はこの惨劇を繰り返し聞いて育ったので、抑圧者への抵抗歌に興味を持ったのだ」と語った。

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兄のチャズィムさん(左)と「パトリオティッケ」を歌うエンベルさん(黒沢潤撮影)
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