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NHK特派員にビザ発給せず ロシア政府、異例の半年以上
【モスクワ=内藤泰朗】ロシア当局が半年以上にわたりNHKの新モスクワ支局長に査証(ビザ)を発給せず、同支局長が取材活動に入れない異例の事態に陥っていることが明らかになった。ロシア外務省は事実を認めたが、理由については説明できないと語った。ロシアでは、プーチン政権批判を強める一部外国人記者が入国を拒否されるなど取材活動が制限されつつあり、ビザ発給の行方に関心が集まっている。
関係者の話によると、NHKは昨年6月、人事異動でロシア極東のウラジオストク駐在のほか、1999年から5年間、モスクワ支局で勤務していた国際部のベテラン記者(45)をモスクワ支局の新支局長に内定。ロシア入国ビザ発給の申請手続きを始めた。
ビザは「通常は手続き開始から2〜3カ月で発給される」(ロシア外務省)。しかし、手続きの開始から6カ月以上が経過した現在もまだ発給される見通しが立っていない。在ロシア日本大使館もこれを受け動いたが、原因は不明で、らちがあかない状況だという。
NHK広報室は、これについて「個別の人事については答えられない」とコメントした。
一方、ロシア外務省高官は、産経新聞の取材に対し、「外国人記者へのビザ発給のやり方が変わったわけではない。今回は、ある問題があって手続きが長引いている。今はまだ解決できる時ではない。ロシア外務省としては、ビザが発給されることを希望している」と語った。
ソ連時代は、日本人記者が、ビザ発給までの時間を引き延ばされたり、発給を拒否されたりした事例もあったが、ソ連崩壊後、日本の主要メディアの支局長に半年以上もビザが発給されないのは今回が初めて。
報道によると、言論統制を強化するプーチン政権は昨年12月、政権幹部による巨額裏金の実態などを取材、暴露していたロシア在住のモルドバ人女性ジャーナリストの再入国を、「国家安全保障に重大な危惧を与える可能性がある」として拒否し国外退去処分にした。2000年のプーチン大統領就任以来これまで、外国のジャーナリストや人権活動家ら約40人がこうした理由で入国を拒否されたという。