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「プーチン首相」礼賛 “翼賛国家”まざまざ
【モスクワ=遠藤良介】ロシアの大統領後継者と目されるメドベージェフ第1副首相がプーチン大統領に次期政権での首相就任を要請したことに対し、各界から礼賛の声が上がっている。“プーチン翼賛体制”の中では、権力が一部側近に独占されていることの不自然さや、一連の社会問題が置き去りにされていることへの批判はかき消されている。
メドベージェフ氏の首相就任要請に対し、プーチン氏はいまだ反応を示していない。プーチン氏が他のポストを検討している可能性は排除されないものの、沈黙を保つことで各界の「忠誠度」を見定めようとしているとの見方が一般的だ。
下院で9割近い議席を占有する親政権派政党や官製社会団体は11日、「プーチン氏の首相就任で安定した政治路線の継承が確実になる」などとこぞって表明。ズプコフ首相もメドベージェフ氏の提案を「論理的なものだ」と称賛した。
エリツィン前政権を支えた元石油王のホドルコフスキー氏や英国亡命中の政商ベレゾフスキー氏らは今、プーチン政権下で国賊扱いを受ける。ロシアのエリートらが政権交代によって「第2のホドルコフスキー」となることを恐れていることも、「プーチン首相」礼賛の背景にはある。
むろん、プーチン政権下のロシアがソ連崩壊後の混乱から脱して高度経済成長を続けている事実は経済界に好感されており、投資銀行ウラルシブの幹部はメドベージェフ大統領−プーチン首相のコンビは「投資家にとってのドリーム・チームだ」と表現した。
ただ、石油価格高騰やドル安の追い風を受けた現政権に比べ、次期政権は国際金融の流動性危機やインフレなどにより難しい経済運営を迫られる。プーチン政権下では貧富の格差が拡大して汚職が蔓延(まんえん)、生活にかかわる社会基盤整備は置き去りにされており、翼賛体制にはもろさも潜んでいる。