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アルジェリアの光と影 サルコジ大統領の訪問に同行 (2/3ページ)
もっとも、アルゼルさんは「実はサルコジは嫌いだ。フランスからアラブ人を追い出しているから」「アルジェリアは貧しいから、フランスに行って稼ぐ必要がある」とも声を潜めて語った。
アルジェなどの町並みは、フランスへの抵抗を描いた「アルジェの戦い」(1966年制作)やジャン・ギャバン主演の「望郷」(36年制作)のカスバ(アルジェ北部の旧市街)などの映画の場面とそう変わらない。
冷戦期の社会主義経済も高くついた。市場経済の導入と経済の多角化を掲げた経済改革は今も国家的課題のひとつだ。人口の65%が30歳以下で失業率12・3%という状況の下で、若者がブラブラ歩きする姿も目立つ。
隣国モロッコは観光立国で成功しており、ここの「風光明媚」はいかにも宝の持ち腐れだ。コンスタンティーヌに取材に来ていた地元記者はしかし、社会主義経済世代らしく「観光なんて」と吐き捨てるように言った。
コンスタンティーヌは5日の訪問地だった。そこで生まれたカミュは共産主義者に『あなたは自由というものをマルクスから学ばなかった』と非難されたとき、『私はそれを貧困のなかで学んだのです』と答えた(「アクチュエル・1」)。
コンスタンティーヌのマントゥーリ大学の法学部学生、メナールさん(22)に、「過去は否定しないが、未来はより重要だ」とした大統領演説の感想を問うと、「ビアン、ビアン(いいんじゃない)」と笑顔で答えた後、「日本のお土産はないか」と無心された。
イスラム原理主義過激派テロが吹き荒れた90年代の「危機の10年」も発展の足を引っ張った。
ブーテフリカ大統領が2004年、独裁者と批判されながら再選されたのはテロ沈静化を評価されてのことだ。かつて10万人余に上ったテロの犠牲者は年間200〜300人で推移している。だが、今年早々、「サラフィスト・グループ」が「イスラム・マグレブ諸国のアルカーイダ」に改称するなど国際テロ組織、アルカーイダの浸透も懸念される。 一般犯罪も増加傾向にある。カスバをはじめアルジェ市内では「外国人の一人歩きは注意」だ。
豊かさと貧しさと−。47歳で交通事故死したカミュが今、生地を訪ねたら、どんな作品が生まれたのだろう。『貧しい国民のための偉大な政治とは、模範的な政治以外にあり得ない』とカミュが述べたのは、1945年5月16日にセティフで虐殺と弾圧が始まって、アルジェリア戦争の伏線となったときである。


