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元KGBロンドン支局長 リトビネンコ事件を語る 「大統領は知っていた」 (1/3ページ)
冷戦期、英情報局秘密情報部(MI6)の二重スパイとなり、1985年に英国に亡命した元ソ連国家保安委員会(KGB)のロンドン支局長、ゴルジエフスキー氏はロンドン郊外の自宅で産経新聞と会見、発生から1年が経過したロシア連邦保安局(FSB)元幹部リトビネンコ氏毒殺事件の背景などについて、見解を明らかにした。事件で英国が容疑者と断定したKGB出身の実業家ルゴボイ氏は2日のロシア下院選で当選している。一問一答は次の通り。
(ロンドン 木村正人)
−−なぜ、リトビネンコ氏は殺害されたのか
「プーチン・ロシア大統領を直接的な方法で攻撃する文書を書いたからだろう。(リトビネンコ氏ら)旧KGBの一部は大統領の息がかかったサンクトペテルブルク出身者が要職を占めるのを快く思っていない。大統領の情報を握って出版の機会をうかがっているものの、大統領の力はますます強くなり、出版の機会は来ないかもしれない」
−−致死性の放射性物質ポロニウム210が使われたのはなぜなのか
「非常に緩やかに死んでいく。紅茶の中に入れるだけで2週間以内に怪しまれずに殺せる。リトビネンコ事件の前にも、サンクトペテルブルクでポロニウム210を盛られた反体制の人が死んだ。若くも頑強でもなかったこの人物は予想より早く死んだ。鍛え抜かれたリトビネンコ氏だから3週間も持ちこたえ、その分、苦しみも大きくなった」
−−大統領は、暗殺のことは知っていたのか
「こんなタイプの作戦はボスが知らないうちには行えない。大統領以上に影響力を持つボスなどロシアにはいない。国家が運営する秘密の核研究所からポロニウム210を持ち出すには書類上の手続きが必要。核施設は厳重に管理されており、大統領は何が持ち出されたか知っていたはずだ」
−−このポロニウム210の追跡は容易なのか
「世界中でポロニウム210を追跡できるのは米国と英国だけだ。しかし、ロシア情報機関はそれを知らなかった。これは重大なミスだった」