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プーチン与党圧勝のワケ 国際日本文化研究センターの木村汎名誉教授
このニュースのトピックス:ロシア・CIS
露下院選でプーチン与党が圧勝した理由については、(1)ゴルバチョフのペレストロイカ、エリツィンの改革で混乱に陥った社会に不満を抱いてきた多くの国民が、プーチン政権期の国力回復を評価し、引き続き秩序と安定性を心から望んだ(2)野党・民主派勢力の選挙キャンペーンが抑圧され、一部の有権者がやむを得ず与党に投票せざるをえなかった(3)今後、シベリア地域の原油供給の減少や欧米諸国との“新冷戦”による関係悪化で、国力が下り坂を迎えるにもかかわらず、国民に将来を見通す先見性がなかった−の3点にあると分析する。
ロシアの歴史はこれまでも政治の振り子が極端にゆれてきた。民主派の議席はゼロになるが今後、風向き次第ではプーチン側の政治勢力に一気に批判が集まり、振り子が逆方向に向かう可能性だってあり得る。つまり、この選挙の結果だけをみて民主派の完敗と解釈すべきではない。
また、この下院選の結果を受けいよいよ大統領選挙(来年3月)を迎えることになるが、近日中に、プーチン大統領を含む政権中枢の人物がどのような発言をするか注目される。後継指名を誰にするかで、今後数年間のロシアの行く末が決まる。今回の選挙で、国民がプーチン大統領自身の続投を望んでいることはほぼ確実であることが証明された。
日露関係については、ここ数年の日本側の態度で「島(北方領土)より資源」という印象をロシア側に与えてしまった。ただ、ロシアのエリートたちは、資源供給国としての戦略だけでは今後、国が立ちゆかなくなることを認識している。日本の高度な技術力を頼りにしてロシア側からすり寄ってくるまで毅然(きぜん)とした姿勢で待つべきだ。しばらく、日本側から動く必要はないと考える。 (談)

