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【インタビュー】国際関係アナリスト・北野幸伯さん モスクワから世界を見る (1/2ページ)
混迷する世界情勢についてユニークな視座を提供する書物が登場した。モスクワ在住19年の国際関係アナリスト、北野幸伯さんの『中国・ロシア同盟がアメリカを滅ぼす日』(草思社)。1万4000人の読者を持つ人気メールマガジン「ロシア政治経済ジャーナル」を下敷きにまとめたものである。
「モスクワでは、米英へのタブーがないクレムリン情報をたやすく得ることができます。それにずっぽり染まってしまうと問題ですが、米英の情報ばかりがあふれる日本とは異なる視点を持てると思います」と、北野さんはモスクワから世界を見る利点を説明する。
本書で北野さんは、アメリカの一極主義は終焉(しゅうえん)を迎え、世界はロシアと中国を軸に多極化に向かいつつあると指摘する。
「世界最大の財政・貿易赤字と対外債務を抱えるアメリカが“倒産”せずにもっている理由はふたつ。ひとつはドルが基軸通貨であるから。もうひとつは石油資源を押さえているから。アメリカはこのふたつを脅かす勢力をこれまで容赦なくたたいてきましたが、その力は衰え、いまや孤立化するばかり。日本は当面は日米協調を基本としながらも、アメリカの没落を見据えて中国の脅威から身を守る力をつけていかなければなりません」
北野さんの指摘する通り、ロシアや中国では、ドル基軸通貨体制を崩壊させる施策が打ち出され、これに協調する国も増えつつある。しかし、アメリカが静かに衰退してゆくはずがない。北野さんは、イランに対してアメリカがどんな行動に出るかに注目する。
「アメリカの石油は11年後に枯渇するという予測があります。さらに中国がイランの石油利権に食い込み、イランはユーロで石油を売ろうとしているという現実。アメリカは、核兵器開発をやめろ、テロ支援をやめろ−という理由でイランを攻撃する可能性があります。本音は、石油をドルで売り続けろ、石油・天然ガス利権を中国やロシアに与えるな−です」

