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露“スパイ礼賛” 下院選へ愛国心の高揚もくろむ? (2/2ページ)
このニュースのトピックス:核・ミサイル事情
ロシア各紙はこれを契機に、同氏の経歴を報じた。ソ連から米国に移民したユダヤ人の一家に生まれ、その後、米国の大恐慌の時代にソ連に移住。流暢(りゆうちよう)な英語を操ることからGRUの目にとまり、米国に戻った後、軍に志願して原爆開発チームに参加、完全に米国人となりきり同僚たちを欺いていた。米保安当局が同氏に嫌疑を抱き始めたのは、第二次大戦後のことだったという。
ソ連は、米国の原爆完成から4年遅れの49年に初の原爆実験を行い、米国に大きな衝撃を与えた。同氏らの活躍がなければ、ロシアが米国と肩を並べる核大国となるには相当の時間と費用がかかったはずだ。核戦力を国防の要と位置づけるロシアが、同氏を「英雄」と持ち上げる理由がそこにある。同氏は昨年1月、モスクワで息を引き取った。ロシア大統領府によると、94歳だった。
一方、ソ連軍に協力した英国人エージェント、ジョージ・ブレイク氏も今月、85歳の誕生日を迎え、KGBの後継機関である対外情報局(SVR)が同氏のために特別に誕生祝賀会を開催。ロシアメディアなどのインタビューに応じ、「幸せな人生だ」と述べてロシアを称賛した。
同氏は、東西冷戦初期のころ、東独でソ連軍の情報収集のために米英両国が掘った通称「ベルリンのトンネル」の存在をソ連側に知らせ、ソ連側は約1年間にわたり偽情報を流すことに成功。「ソ連は、軍事、政治的な損害を回避することができた」(SVR報道官)といわれる。
「スパイの英雄化」は、欧米諸国との対立が深まる中で今後さらに活発化するとみられる。