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【ちゃいな.com】中国総局長・伊藤正 どこまで続く不動産バブル

2009.11.5 03:13
このニュースのトピックス景気

 このところ不動産仲介業者が相次いでやってきて転居を勧める。外国人向けマンションの賃貸価格が暴落しているからと。確かに1年前に比べ20〜30%の下落は普通、北京市東部の中央ビジネス地区(CBD)の一角に2年前に新築された高級マンションは、ほぼ半値になっていた。入居率はずっと20%に満たず、値下げ後のいまも60%前後という。

 オフィスの賃貸料も下落が続く。CBDに完成した北京一の高層ビル「国際貿易センター三期」(313メートル)は、テナントが思うように集まらず、昨年秋のオープン予定から1年たっても開業時期は不明のままだ。

 こうした現象は、世界金融危機後に顕著になった。日本を含め多くの外国の企業は、駐在員数を減らし、帯同家族を帰国させるなど住居費負担の節減に努め、高級物件を敬遠しだしたからだ。それに加え、もう一つ重大な要因がある。供給過剰である。

 中国の今年第3四半期(7〜9月)の成長率8・9%は、世界の注目を浴び、中国市場への期待がさらに高まった。中国紙「環球時報」は「中国のGDP(国内総生産)増、再び世界を驚かす」と西側報道を大々的に紹介、景気浮揚策の成果を誇示した。

 過去、成長率の7割を占めてきた対外貿易は11カ月連続でマイナス成長、消費者物価指数も国民の可処分所得も低迷しているにもかかわらず、成長率が伸びたのは固定資産投資増による。中国政府は昨年秋、4兆元の内需拡大策を打ち出し、金融を大幅緩和、公共投資と併せ、不動産開発を促進。金融引き締めなどで経営危機にあった不動産業界は息を吹き返した。

 新華社発行の週刊誌「瞭望」最新号は特集記事で、全国的な不動産バブル現象を追っている。それによると、広東省深せんでは昨年10月まで、30%も下落していた不動産価格が今年9月、平均成約額が1平方メートル当たり2万元を超え、7カ月前より94%アップした。多くの地方で不動産価格の上昇率はGDP成長率をはるかに上回る。

 知り合いの開発業者は、北京では土地が手に入らないと嘆く。本業外の大手国有企業が、豊富な資金で土地を買いまくり、値をつり上げているためという。「瞭望」誌はそれだけでなく、外資の参入も価格上昇の要因と指摘している。最も利益率の高い分野に内外の投資が集中した結果のバブルというわけだ。

 そして建てられたアパートは当然、庶民には手の届かない価格になり、買い手は富裕層中心で、その大半が投資目的という。開発業者は、需要は高いが利益率の低い低価格住宅の建設には目もくれない。その結果、北京では高級マンション建設が続き、賃貸料が下落する一方で、中国人向けアパート賃料の上昇を招いている。

 中国が公的住宅制度を「持ち家」制に変える住宅改革を実施したのは、1998年。個人住宅への願望を持つ国民多数に歓迎され、建築ブームで内需が拡大、前年のアジア通貨危機の影響を乗り越えた。今回は、経済成長率押し上げの目的にかなっているが、投資ゲームになったとの批判が強い。その結果は富裕層がさらに太り、国民から住宅が遠くなった。

 中国政府内では、金融引き締め論も出始めたが、地方政府を中心に引き締めへの反対論も根強いという。不動産バブルはどこまで続くか、それがはじけたとき、何が起こるか、目が離せない。

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