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【産経抄】10月3日
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近代中国史で最も有名といえる写真がある。1949(昭和24)年10月1日、天安門の楼閣で共産党の毛沢東主席が、大きなマイクの前で中華人民共和国の建国を宣言しているものだ。蒋介石総統の国民党との長い内戦に勝利した結果の立国だった。
▼この日快晴の天安門広場には30万を超える人が集まった。五星紅旗が掲げられ、人々の間から国歌に制定されたばかりの「義勇軍行進曲」の大合唱が起きる。それが終わると毛主席がおごそかな態度でマイクの前に立った。心憎いまでの演出が今に伝えられる。
▼60年後の一昨日、胡錦濤国家主席は同じ天安門楼閣から国民に団結を呼びかけた。30万の人々に代わって広場を埋めたのは、近代兵器や兵士たちのパレードだった。相変わらず一党独裁ならではの見事な演出で、その自己顕示の強さには少々、辟易(へきえき)させられる。
▼そんな中国の自己顕示に気圧(けお)されたのか、日本の鳩山政権が「東アジア共同体構想」なるものを打ち出した。日本、中国、韓国などが連携を強めていこうという構想だ。鳩山首相が国連演説で突然言い出したと思ったら、岡田外相も初の訪中で中国側に持ちかけたようだ。
▼これに対し米国がさっそく、異議を伝えてきたという。それはそうだろう。何しろ構想は、アジアでの米国の力をそぐために、中国が何年も前から主導してきたものだ。それを米国の同盟国である日本が積極的に持ち出してきたとあっては「何だ」ということになる。
▼中国は今や世界3位の経済大国、軍事大国でもある。あの手、この手の外交手段でつき合わねばならない。だが鳩山外交のように、初めから手の内をさらけ出すようでは先が思いやられる。大事なのは、大国の演出に惑わされないことだ。
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