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【湯浅博の世界読解】捜索能力探る“危険球”も (1/2ページ)
福田康夫首相がいくら「相手がいやがることはしない」と中国の信義に呼びかけようと、あちらが同じ行動規範を持つとはかぎらない。土佐沖に現れたという国籍不明の潜水艦らしきものが、これもまた中国の宋級潜水艦であったとしても何の不思議もない。
中国海軍は2002年から狭く浅い海域での航行訓練を繰り返しているから、日本の領海を気づかれずに侵犯できるかを試す目的があったとしても、また不思議ではない。
国家が必要な情報を収集するスパイ行為と同じように、潜水艦もまた海中に没しての隠密行動だからその疑惑は、「不思議」の域を出ないのだ。護衛艦「あたご」が目視した潜望鏡のようなものが国籍不明艦だとして、日本列島の周辺海域を探る幾つかの国があげられるだろう。
ちなみに、過去5年間に列島周辺で起きた潜水艦の動向を挙げると、次のような出来事を思いだしてしまうのだ。
2004年11月に、中国の漢級原子力潜水艦が日本の領海を侵犯し、海上自衛隊が海上警備行動を発動したことは記憶に新しい。原潜は石垣島と宮古島の狭い海底をきわどい操舵(そうだ)ですり抜けた。
このとき、追尾の哨戒機や護衛艦からは、潜水艦の位置を特定するためのソナーの音波が2日間にわたって原潜にたたきつけられた。艦内では壁を強打する反響音が絶え間なくこだまし、並の乗員なら恐怖でパニックになるところだ。
中国は日本列島からフィリピンを結ぶラインを勝手に「第1列島線」、その外側を「第2列島線」として潜水艦の航行に必要なデータ収集と併わせて訓練をする。今回も、潜望鏡らしきものを発見した「あたご」がソナーで捜索活動を展開している。
2006年11月には、沖縄の東方海域を航行中の米空母戦闘群キティホークに、この宋級潜水艦が魚雷発射可能な5マイルの距離まで接近して急浮上したことがある。