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中国バス爆破事件・五輪前テロにおびえる市民、指導部の治安能力問う声も
【北京=野口東秀】中国・雲南省昆明市で発生した公共バス連続爆破事件では、「北京五輪前のテロではないか」として、国民の間に不安が広がっており、中国外務省の劉建超報道官は22日、定例記者会見で「五輪との関係は見いだせない」と指摘、沈静化に努めている。首都のテロ警戒は一段と強化されそうだが、地方の末端に広がる社会不満や潜在化するテロを完全に押さえ込むことは不可能で、指導部が治安能力を問われかねない状態になることも考えられる。
公安省は北京からテロを含む刑事捜査の専門家チームを現地に派遣、組織的な背景による犯行かどうか爆発物の詳細や手法など捜査を本格化させた。華僑向け通信社、中国新聞社などによると、爆薬にニトロ化合物が使用された。一方、当局は炭坑などで用いられるダイナマイトの一種との見方を示しているという。
中国紙は、犯行当時、男が黒いポリ袋を座席の下に置き、下車した直後に爆発したとする乗客の目撃情報を伝えた。当局は雲南省の道路、駅での検問のほか、ミャンマーとの国境も警備を強化。新華社通信によると、昆明市公安局は同日、犯人にからむ情報提供者に懸賞金10万元(約150万円)を贈ると発表した。
インターネットの掲示板では、「五輪を狙ったテロでは」「社会矛盾が激化している」「バスに乗るのが怖い」「またどこで起こるか」「官僚はバスに乗らない。乗るのは庶民なのに」など、恐怖感を抱く声が多い。「反政府者の言論を当局がもっと監視すべきだ」との声もある。
中国紙によると、新疆ウイグル自治区のウルムチから重慶に向かう列車の中で14日、雷管100個を隠し持っていた男が警察に拘束された。今後、チベットやウイグルの独立勢力がテロ事件を起こす可能性は払拭(ふつしよく)できないものとみられる。
北京では21日から駅などでの爆発物の警戒を一段と強化したが、五輪期間中に暴動や無差別殺傷事件が相次げば、国際社会に中国の不安定ぶりが露呈される事態となるだけに、当局は神経をとがらせている。