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【五輪の中国】第4部 四川衝撃(1)国威の「赤」か 人道の「緑」か (1/2ページ)

2008.6.16 19:23
このニュースのトピックス五輪の中国
多数の児童が倒壊した校舎の下敷きになった四川省の小学校の追悼会に集まった2000人の父兄ら。彼らの目に「北京五輪」はどう映るのか=5月27日(撮影・山田俊介)多数の児童が倒壊した校舎の下敷きになった四川省の小学校の追悼会に集まった2000人の父兄ら。彼らの目に「北京五輪」はどう映るのか=5月27日(撮影・山田俊介)

 四川大地震の発生から3週間が過ぎた6月上旬、四川省綿陽市の九州体育館には約7000人の被災者が暮らしていた。中に入れずあぶれた人たちのテントが周囲を取り囲む体育館の中に足を踏み入れるや、消毒液の臭(にお)いが鼻を突き、横断幕のように垂れた洗濯物が目に飛び込んだ。

 肉親を失った被災民の目に、8月8日に開幕する北京五輪はどう映るのか。

 「今すぐ帰って子供を捜したい。でもそれも許されない。五輪? わたしには関係ない…」

 避難生活を送る李(り)菊蘭(きくらん)さん(30)は、そう言ってヒザを抱えた。壊滅的な被害を受けた北川県から、倒壊した校舎のがれきの下に10歳の子供を残したまま逃れてきたという。

 綿陽市の隣の安県へと車を走らせた。日本人ボランティアをまとめて支援活動にあたる海外災害援助市民センター(神戸市)の吉椿雅道さんから「中国政府やマスコミの目は被害が甚大な地域にばかり向いている。後回しにされている農村の被害が実はひどい」と聞いたからだ。

 中華レストランで働いていた林(りん)玉軍(ぎよくぐん)さん(38)の一家9人が、倒壊した家屋の傍らに張ったテントで暮らしていた。玉軍さんは言う。

 「北京五輪は中国国民の100年の夢だ。五輪で外国と友達になれる。中止すべきだとか言っているのは被災地以外の連中だ」

 五輪に対する被災民の思いは複雑である。

    ■  ■

 四川大地震による死者は16日現在6万9170人、いまなお1万7426人が行方不明のままだ。中国政府は5月19〜21日の3日間を全国哀悼日に定めた。その間、聖火リレーは中止され、ふだんは赤地の題字が目立つ中国各紙も白黒版を発行した。19日午後2時28分からは、中国全土で犠牲者に3分間の黙祷(もくとう)がささげられた。

 当初は6月だった四川省での聖火リレーも開会式直前の8月3〜5日に変更された。その火がメーンスタジアムに点される開会式の演出は、どう変わるのだろうか。

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多数の児童が倒壊した校舎の下敷きになった四川省の小学校の追悼会に集まった2000人の父兄ら。彼らの目に「北京五輪」はどう映るのか=5月27日(撮影・山田俊介)
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