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【正論】「胡訪日」以後 反日デモが中国に教えたもの 評論家・鳥居民 (3/3ページ)
このニュースのトピックス:正論
変化する「怒りの対象」
60周年の2005年9月3日はどうだったか。じつはこの年は4月に反日デモが起きた。日本が国連安保常任理事国になるのを反対させる国民運動をやらせたのがはじまりだった。デモ隊が日本の外交公館を襲い、やがて街路を占拠する暴動になるのが目に見えるようになって、党は反日デモを押さえ込むのに懸命となった。
さて、最後に記すのは2015年9月の予測ではなく今年4月にチベット人の反乱からはじまった中国人の外国に向けての愛国主義の怒りの大波である。世界の人びとを驚かせたその怒りこそ、外国にスケープゴートを求めた愛国主義教育の成果であった。だが、中国首脳陣は喜んではいまい。1985年と2005年の反日デモが教えたことは、だれもが怒りの目標を容易に変えるということだ。
僅(わず)か20年足らずのあいだに世界の工場へとのし上がった中国国内の矛盾と悪は、それまた非常に大きく、国民の怒りの対象も多い。
そして多くの中国観察者が懸念しているのは、中国の「権力を握った貴族階層」がまずは自分たちの利益を図るのをさきにしていることなのである。(とりい たみ)

