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【外信コラム】北京春秋 予知か備えか
このニュースのトピックス:四川大地震
テレビが映し出す中国・四川大地震の被災地の映像がまぶたの裏の阪神大震災の光景と重なる。遺体のにおい、がれきの間にうずくまる女性の無表情、倒壊した家屋に張られた家族への伝言の紙。記憶がふつふつとわいてきて心が痛い。
大きな地震災害を目の当たりにするたびに、あの記憶がよみがえる。台風などはある程度予報できるが、地震は闇討ちのようだ。そう訴えると、友人が「中国は地震を予知できる」という。
調べてみると、地震を予知し深刻な被害を回避したとされる話もある。1975年の海城地震(マグニチュード7・3)。鶏やネズミの異常行動を見て、国家地震局は遼寧省海城市の住民を避難させるなどして被害を最小限に食い止めたという。今回の大地震の前も、被災地の四川省綿竹市で数十万のヒキガエルが一斉に移動するのが目撃されたといい、この地震のサインを見逃した当局を非難する声すらある。
なるほど、中国人の地震への備えの意識が薄いのは予知技術に自信があるからか? だが、人間が大自然の不意打ちを完璧(かんぺき)に予知することは、極めて難しい。予知より、過去の痛みの記憶をかみしめて不意打ちに身構えるしかないと思っている。防災意識の差は日本人と中国人の自然に対する姿勢の差なのかもしれない。(福島香織)