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【主張】四川大地震 人命第一こそ国家の責任
中国・四川大地震は、震源地の四川省を中心に生き埋めがなお2万人を超え、死者・行方不明者が数万人規模にのぼる大惨事となった。
激震地は交通が途絶した山岳地帯であるため、救援活動が難航している。中国政府は武装警察や人民解放軍部隊を万単位で投入しているが、人命救助は分、秒を争う。日米両国などは人員を含むあらゆる支援を表明した。中国政府はなぜ、これを受け入れないのか。
地震発生から2日後の14日、震源地の四川省アバ・チベット族チャン族自治州●川(ぶんせん)県にようやく救援隊900人が入った。徒歩で30時間余りかけて現地に到達したという。
生き埋め被災者の救命率は、地震発生から72時間を境に極端に下がる。食糧や医薬品、テントなども一刻でも早く届けられる必要がある。●川県の場合、悪天候のために人員や物資を運ぶ救援ヘリが使えなかったらしいが、米軍の全天候型ヘリなら初動で役に立った可能性がある。
阪神・淡路大震災(平成7年)など多くの被災経験をもつ日本は、被災国や国際機関の要請があれば自衛隊の派遣も可能だ。18年のインドネシア・ジャワ島中部地震では延べ3800人の診療など医療支援に実績を残している。
今回の四川大地震でも、日本政府は12日の発生直後に物資援助に加えて救助、医療チームを含む国際緊急援助隊派遣の意思を表明し、東京消防庁などで構成する17人が成田空港で待機していた。
しかし、この申し出を中国政府は「道路事情が悪く、当面受け入れは困難」と断った。きわめて残念である。
震源地では3月のチベット騒乱の際に激しいデモが起き、武装警察の発砲もあった。こうした点も国際援助を断る理由なのか、との疑念を払拭(ふっしょく)できない。
武装警察や人民解放軍は治安への対応は十分のようだが、災害救助のノウハウをもたないという。一般の国民にも防災意識が育っていないことが被害を大きくしたといえる。胡錦濤国家主席は負傷者救助と被災地住民の安全確保に「国家を挙げて」取り組むよう指示したが、これほどの巨大地震である。外国の支援を求めてもメンツがつぶれることはない。
北京五輪をひかえ、中国が大震災にどのような人道的対応をするのか。世界中が見ている。
●=さんずいに文