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登り詰めた聖火、民族融和を演出 待ち受ける“難所”
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北京五輪聖火のチョモランマ登頂には、チベット独立問題を抱え「民族の団結・融和」を演出しようという、中国政府の政治的な意図が見て取れた。
その演出ぶりは、“リレー走者”の顔ぶれに如実に表れている。8840メートル地点で点火されたトーチは5人の登山隊員の手で8848メートルの頂上まで運ばれた。民族の内訳をみると、漢族2人、チベット族3人。晴れの“最終走者”に選ばれたのは23歳のチベット族の女性、ズレンワンモさんだった。
登頂に成功した直後、祝電を打った習近平国家副主席は「北京五輪の開催は中華民族100年の夢」「登山隊は中華人民が自らを向上させる努力を怠らないということを示した」と、「中華民族」に何度も言及することで民族は1つであると強調。北京五輪組織委員会も祝電で「祖国のために栄誉を勝ち取った」と登山隊をたたえた。
五輪史上最も標高の高い場所に聖火を運んだことは、「世界一」を好む中国国民の自尊心をくすぐりもした。ウェブ上では「頂点、われらが祖国」「中国人は最も素晴らしい」などの書き込みが踊った。
チベット騒乱以降、国際社会から非難を浴び、中国と北京五輪が被ったダメージとマイナスのイメージを、聖火のチョモランマ登頂を成功させることで少しでも巻き返したい−。中国政府が登頂に満を持していたことは間違いない。
だが、本当の“難所”はこの先に待っている。6月20、21の両日、聖火はチベット自治区のラサなどを通過する予定だ。騒乱が再燃しないという保証はない。
(北京 川越一)