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【グローバルインタビュー】同胞から狙われた中国人留学生に聞く「愛国主義の暴走は愚民化教育のツケ」 (3/4ページ)

2008.5.4 12:50
このニュースのトピックスグローバルインタビュー
デューク大学内の宿舎で脅迫、嫌がらせのメールに目を通す王千源さんデューク大学内の宿舎で脅迫、嫌がらせのメールに目を通す王千源さん

 《王さんは集会の記憶が強烈な10日未明、『同胞に致す書』と題する文章をまとめた。漁夫の利のたとえなど故事を交えながら、チベット問題で在米中国人が同胞を敵視していれば、誰を利することになるのかといった内容だった》

 「この文章を(留学生組織の関係者に)メールで送りました。彼らは自分たちの行動がうまく行ったと思っていたので、私が現れたのがよほど意外だったようです。彼らの心理をたとえるなら、自分たち(中国人)は誰かにいじめられてきたから、誰かをみつけていじめ返す権利があるという考えでしょう。これは根本的な間違いですよ。仮に過去の被害者であっても、現行の法律を犯す権利など誰にもありません。

 8カ国連合軍(清末の義和団事件に対して派遣された列強の制圧部隊)の被害者だからといって、チベットで暴力的な対応をすることもおかしい。こうした恨みは、世代を追って深くなりかねない。こんなの必要ないと思いませんか。フランス大統領の発言に対する怒りをフランス人やフランス商店にぶつけるのも間違い。(中国は)堂々たる大国というのに次第に偏狭になるとは…」

 −−あなたの中国・青島(山東省)の実家まで被害に遭ったと聞く

 「10日かな。ネットで私の身分証明番号なんかが全部暴露されたんです。実家にこちらから電話はしていません。電話って録音されたりで、安全な連絡方法じゃありませんから」

 《インターネット上では、王さんの学歴や現住所、電子メールアドレスなどの個人情報に加え、実家の住所や両親の勤務先までが暴露された。メールアドレスなどは中国人留学生のサークル内で共有されていたが、実家の住所などは普通では知りようがない。この直後、実家の玄関脇に『殺売国賊』(売国奴を殺せ)という赤ペンキの落書きが発見された。また、ネット上では、王さんの父の名で娘の不始末をわびる謝罪文もでまわった》

 「母からの連絡で、あの文章は父が書いたものではないと知りました。父にしても私の代わりに謝るなんてことはできませんよ。誰かが私の父をかたって流したんです。文書偽造ですけど、DVDソフトとか中国に偽造品はたくさんありますから。(個人情報の流出については)中国人学生の連絡先などを全部知っている人(王さんは実名を指摘)がいるんです。

 たとえば、ここの大学から合格通知を受けて、まだ入学するかどうか分からない段階でも、この人はすべての相手にちゃんと連絡のメールを送ってきます。(留学生サークルのネットなどでは)私の悪口があふれていましたが、ワシントン・ポストやニューヨーク・タイムズの取材が来るようになると、あわてて削除を始めたようですよ」

 −−直接、脅迫などは受けているか

 「直接にはないですね。手紙や電子メール、電話なんかはたくさんきます。メールは少しマシになったかな。発信元も特定できますから。時間がたつにつれて、私を支持してくれるメールも増えています。(被害については)近く弁護士に相談する考えです」

 −−留学生組織などは「愛国主義」を声高に叫んでいる。あなたの考えを聞きたい

 「愛国主義は人をたたくことじゃない、とまず一言。いまの問題は(愛国主義が)排外的なだけでなく、“排内的”ですらあることだわ」

愛国主義をめぐる動き

暴走する愛国主義 米デューク大、王千源さんへの攻撃

5都市でカルフール抗議行動 中国政府の制御不能か

「傲慢な中華主義のレッテル張るな 中国が韓国メディアに反論

広がり続ける中国の排外主義

【主張】中国「愛国」デモ 五輪壊す過激な民族主義

このニュースの写真

デューク大学内の宿舎で脅迫、嫌がらせのメールに目を通す王千源さん
4月9日、米ノースカロライナ州のデューク大学構内で、王千源さん(手前後ろ姿)を囲み、ののしる中国人学生ら=学内紙デューク・クロニクル提供(c)Zachary Tracer The Duke Chronicle
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