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【記者ブログ】時系列:チベットとその周辺で今までなにがおこったか?4月15日〜19日 福島香織 (3/5ページ)
■ 青海テレビ局のチベット族の有名な女性歌手で詩人の加羊吉は、4月1日、青海省安全部門に拘留され、もっか居場所が不明。報道によれば、当局は加羊吉の自宅を秘密捜査し、パソコンや通信記録を没収。40才前後の加羊吉はアムド(青海省海南チベット族自治州)貴南県の遊牧民の家庭に生まれ、自分自身も結婚して、二人の娘がいる。誉れ高い歌手で、彼女の制作した音楽テープやCD、DVDは大衆に広く歓迎されている。2006年に、米国に招待されて訪米したさい、コンサートと講演をおこなった。彼女は、チベット語と中国語のブログをもっており、チベットの若者からも人気があった。彼女の詩や文章は出版の計画があった。
■ 北京で仕事や、出稼ぎ、学習、出張しているチベット族が排斥と監視にあっている。多くのホテルでは、チベット族のチェックインを拒絶しており、チベット族衣装をきたチベット族はタクシーの乗車拒否にあっている。北京のチベット風商店やレストラン売上げががくんとおちた。北京警察当局は、チベット風商店やレストラン経営者に、もし僧侶や敏感や話をするチベット族がいれば、すぐさま警察に通報するように要求している。
■4月17日
■2カ月前の2月11日の夜、青海省黄南州同仁県で、当地の寺院が法会を開いたところ、軍警により邪魔され、多くのチベット族僧侶、民衆の不満を引き起こした。彼らが宗教の自由とダライ・ラマへの長寿への祝福をさけんだところ、当局は催涙弾で制圧、200人以上の僧侶と民衆を狂ったように捕らえた。翌日、数千人の僧侶が、県城でデモを行い、拘束された僧侶や民衆の釈放を要求。当局はこの圧力をうけて、拘束者を釈放せざるをえなくなった。しかし、3人の僧侶と一人の老人が殴られて重傷をおい、青海省病院に搬送された。その後、当局は西寧、鄭州からの特別警察の増員をうけ(ホテルには鄭州特別警察を歓迎、という垂れ幕がかかげられた)、その兵力をもって、いわゆる2・11事件はいったんは収まった。しかし、これは3月10日以降、各地で同様の事件が次々発生し、チベット族の抗議が拡大していく序幕であったといっていい。
■3月17日、隆務寺の僧侶全員が、ダライ・ラマを祝福する仏事をおこない、その後市内で民衆とともに平和デモを行った。周囲の民衆がみな泣いて止めようとするなか、ある僧侶は憤怒のあまり自ら手首を切るなど情動にかられる事態があった。このとき、軍警は高度の警戒態勢をしいていた。この後、同寺のシャリツァン活仏の調停により、地元政府に対し、軍は寺院をパトロールせず、寺院内に設置された監視カメラ設置も撤去し、道理のとおらない仏事の妨害を禁止すると申し入れ、当局も同意した。
■ しかし、その日の午後、地元当局者による工作チームがチベット各家庭をまわり、以後デモ抗議活動に参加しないとの保証書にサインをするようせまり、18日から西寧の特別警察部隊を現地に配備、“あとでツケを払わせ“続けた。4月15日、当局は2・11事件において、殴られた老人や僧侶を再び逮捕拘留、その後続けて、当日抗議した僧侶、民衆らを拘束し続け、当局と意見の異なる人たちについては厳密な監視、コントロールをおこなった。
■4月17日、午前、つまりきょう、隆務寺の一部僧侶は県政府にを訪れ、拘留されている僧侶や民衆の状況を問い合わせた。しかし政府は相手にせず、回答しなかった。これら僧侶は寺に帰る途中、武装警察、特別警察に包囲され、その場で20人あまりの僧侶が、民衆が哀願して止める中、連行された。また、その後少なからぬ人が連行された。時間は正午ごろだった。現地の人がいうには、当時、逮捕された僧侶や民衆100人以上が4台のトラック詰め込まれていた。そのうち一人は活仏で、法名を?索といい、人望があり60才近いという。かれは、僧侶は警察を諫めたときに捕まったという。この期間、僧侶も民衆もなんら反抗的行為はしておらず、ただ、請願と訴求を行っていただけだった。
■ 午後に、西寧から大量の武警が同仁県に配置された。きくところによると、これは実は陸軍部隊で、服と車のナンバープレートをかえて武装警察に扮したという。同時に、大量の完全装備の軍警も警棒や機関銃をもって隆務寺に進入、すべての僧坊を捜査し、ダライ・ラマの写真やDVDを没収、多くの僧侶を連行した。地元の人の話では、隆務寺の僧侶の80%が連行されたという。逮捕された僧侶と民衆は合わせて200人以上にのぼる。もっか、寺院はからっぽで、数人の老僧が残っているだけだが、彼らも寺院を離れることを許されていない。現地のチベット族は落ち込み、悲嘆にくれ、体制側のチベット族ですら(批判的な)意見をもっている。しかし、人々はみな危険を感じており、空気は極めて緊張している。