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【超巨大都市の現実】(上) 上海 傷ついた土壌 黒くよどむ川 垂れ流される汚染 (1/5ページ)

2008.4.28 18:05
このニュースのトピックス中国

 開幕まであと2年となった上海万国博覧会は、8月の北京五輪とともに“台頭する中国”を象徴する国を挙げてのプロジェクトだ。万博のため工場や住宅1万8000戸が立ち退かされ、地下鉄8路線が同時建設されるという中国ならではの強引な大改造が着々と進められている。だが、チベット騒乱や反欧米デモがはからずも“大国”の脆弱(ぜいじやく)さを示したように、万博への準備が進む上海では、汚染排水がいまだに垂れ流されるなどの現実が経済繁栄の陰に潜む本質的弱さを見せている。(上海 前田徹)

 1960年代初め、まだ少女俳優だった吉永小百合が主演した「キューポラのある街」は、黒煙をはく低い煙突を備えた多数の鋳物工場や貧しい長屋のあった埼玉県川口市を舞台にしていた。

 上海万博の予定地には南浦大橋から盧浦大橋辺りに至る黄浦江両岸38万平方メートルの広大な地域が選ばれたが、かつてこの地は、点在する化学、製鉄の町工場から毎日、猛煙が噴き上げられるというまさに上海の“キューポラのある街”だった。

 上海市は当初、都心部から車で1時間ほどの浦東国際空港近くの更地(さらち)を会場にする予定だったが、結局、黄浦江沿い外灘(ワイタン)に連なる“キューポラのある街”を選んだ。

 理由は、発展する中国を象徴する摩天楼群を望めるなど立地がよく、さらに地域の生活水準を会場建設によって引き上げるという一石二鳥の効果が指摘されていた。しかも、住民の反対運動というものがほとんど存在しない中国では、工場や1万8000戸程度の住民立ち退きは全く問題ない。

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