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【五輪の中国】第3部 聖火異変(2)目立たないスポンサー (2/2ページ)
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「スポンサーにとって、手のつけようのない暴風雨でしょう」
聖火リレーを翌日に控えた8日、サンフランシスコ市内のホテルで会った「ドリーム」の戦略担当者、ジル・サビット女史は、スポンサーが置かれた苦しい立場を、ほくそ笑むかのように表現した。
北京五輪では、TOPパートナーと呼ばれる12企業を頂点に、64社がスポンサー群を形成する。聖火リレーでは別に、コカ・コーラなど3社がスポンサーをかって出た。だが、中国批判の世論がこれほど高まると、その矛先は企業にも向けられ、巨大なビジネスでもある五輪という広告塔に名を連ねていることが、かえってマイナスイメージとなりかねない。スポンサーの苦悩はそこにある。
「幸せな状況とはいえないが、嵐は過ぎ去ると信じたい」。コカ・コーラ社の元役員の一人は語る。スポンサーは、チベット情勢が沈静化へ向かえば自然と嵐は過ぎ去るかもしれず、「競技が始まれば興味はそちらへ移る」と期待する。
極秘にルートを変更するという「撹乱(かくらん)戦術」により、サンフランシスコでは沿道で聖火を待ち受ける観客もいなければ、テレビ中継もなかった。当然、スポンサーにとってもメリットは皆無なのだが、そもそもロンドンやもパリでも、広告があまり目につかない印象がある。
スポンサーと連絡を密にする国際オリンピック委員会(IOC)のハイベルク・マーケティング委員長は「事態が好転するまで、(スポンサーと広告は)できるだけ目立たないようにする」と話す。「目立たないスポンサー」。この奇妙な表現こそ、北京五輪が置かれている厳しい状況を物語っている。
(ロサンゼルス 松尾理也)


