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【記者ブログ】蟄居解禁。 福島香織 (4/4ページ)
■つまり中国においてはすでに、今回の事件の真相は「ダライ・ラマ集団が裏で手をひいた、独立派の僧侶、チベット族のよる凶悪なテロ」ということになり、西側メディアがいうところの民族弾圧、宗教弾圧は、中国にとっては、果敢なる「テロ」との正義の戦いということで確定しているわけです。
■これらの事情をふまえ、当ブログは、チベット騒乱に関しては、中国の立場にたったものではなく、また異なる双方の立場を配慮した公平客観な報道でもなく、「今回の件に関して、ダライ・ラマ14世に何の責任もない。今回の事件は中国政府の民族政策の過ち、宗教弾圧が生んだ結果」と主張する私の友人たちの意見に激しく傾いたスタンスをとることにしました。中国の正義に反する考えかもしれませんが、それは中国憲法のみとめる「言論の自由」の範疇におさまるものとして、チベット問題についても、情報発信を続けていく所存です。
■考えてみれば、この世の中でバイアスのかかっていない報道・言論などありえない。すべて、記者や発言者の思想、経験、人間関係などを反映しているという点でバイアスがかかっている、と読者の方々にも認識してほしいと思います。また、物事のすべてを正義、不正義で判断することもできないのではないでしょうか。このチベット騒乱の件に関しては、私は中国の正義と、チベット族の正義、ふたつの異なる正義が、一刻もはやくどこかで折り合いがつくようにと願っています。そのためには、圧倒的な強権と、情報・報道統制力によって、一方の正義が完全に抹殺されることのないよう、弱者の立場にたってモノを考えるという、報道者の原点に立ち返ることが、私なりの正しさであると考えています。
■この蟄居期間、情報統制がきびしく、言論の不自由な国における報道の有り方、自分の記者としての来し方などをいろいろ考える時間がありました。また、産経新聞の多くの関係者の血の滲む努力の結果、98年からようやく再開した中国総局を維持しつつ、言論や報道の自由を最大限にまもることの難しさも考えさせられました。おかげで、頭の10円はげは、500円玉がふたつはいるくらい大きくなりました。これ以上広がったら、スキンヘッドにしちゃおうかな、と鏡をみつめては、ため息がでるきょうこのごろです。
■というわけで、報道や言論の自由と、公正さ。そして多いときで一日6万近いアクセスがある記者ブログというもののスタンスやその影響力、各方面に波及するご迷惑やトラブルなどについて、私なりに深く内省もし、書くべきか書かざるべきかと逡巡もし、その上で覚悟もきめて、このブログを再開することに致しました。当ブログを応援してくださるかたもいれば、苦々しく思っていらっしゃる方も大勢いらっしゃるかと思いますが、そのいずれにもコメント欄は門戸をひらき歓迎いたします。(でも「殺すぞ」「犯すぞ」とかそういう罵詈雑言は、脅迫罪などに問われる可能性があるので気をつけてください)。今後とも北京趣聞博客をよろしくお願いいたします。
<2008/04/07 00:48>
▼「福島香織」の記者ブログ<北京趣聞博客 (ぺきんこねたぶろぐ)> http://fukushimak.iza.ne.jp/blog/