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【記者ブログ】蟄居解禁。 福島香織 (3/4ページ)

2008.4.10 02:13
このニュースのトピックス脅迫

■また、中国にかぎらず、日本や他の国についても、政府公式発表をそのまま鵜呑みにすることも危険だと思います。私自身の経験をふりかえりますと、あの2003年春に北京で発生した感染症SARS蔓延は、一人の退役軍医・蒋彦永氏の命がけの告発によって暴かれるまで、北京市政府は真実を隠し、国内外の記者を欺いていたのです。関係筋によれば、WHOの視察団が病院を訪問したとき、北京市は救急車に瀕死の重病人であるSARS患者を詰め込み、街を走り回って、患者をWHOの目からかくし、その数をごまかしましたといいます。日中関係筋にきいた話では、ときの呉儀副首相すら、真相をしらず、良心の医師の告発後に、密室にて人払いし、衛生当局担当者とさしで対面して、「お願いだから真相をおしえてくれ」と迫ってやっと実態をつかんだ、ということです。中央政府のあしもと、海外の外交関係者、特派員が集う北京ですらこういう状況なのですから、外界と隔絶した辺境の地で、いかような隠蔽、情報操作があったとしても不思議はない、と思っています。

■政府公式発表がウソである、という状況は、中国だけでなく、日本や米国でも過去の歴史を振り返ればあったかと思います。私は中国政府はウソをつく、と主張して中国を攻撃しているわけではありません。念のため。政府公式発表は、どこの国でも必ずしも真実とはかぎらない、ということです。もっとも、その隠蔽や情報操作のやり方は西側先進国の方がより洗練されていて、はっきりウソ、隠蔽である、と追及できるまでボロがでていないものが多いように思いますが。

■今、中国ではCNN、BBCなど欧米メディアのチベット問題報道が「偏向報道」「バイアスがかかっている」との大キャンペーンが張られており、今週末(5日付)の中国英字紙チャイナデーリー一面トップ記事は「中国のインターネット上で西側メディアのアンフェアな報道に怒った114万人以上が抗議の署名を展開している」というものでした。

■このネット世論が、政府の情報統制によって誘導された結果なのか、あるいは民衆のナショナリズムの発露なのかは、まだ見極めがつきません。が、このブログで以前から何度も触れているように、中国政府はもっか、民意重視政策を掲げており、ネット世論が政策を左右する状況が生まれています。ですから、中国が民意(ネット世論)の方向性に反して、今さら、西側メディアの言い分を正しいと認めたり、「人面獣心のダライ・ラマ14世」と対話を行うなどということは、相当難しい状況といえます。

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