ニュース: 国際 RSS feed
中台関係の複雑さを浮き彫りにしたチベット騒乱
このニュースのトピックス:チベット
【台北=長谷川周人】台湾総統選の最終盤で争点として急浮上したのが、中国で起きたチベットの騒乱だった。選挙結果を左右するには至らなかったが、対中政策をめぐる与野党論争が先鋭化する中、中国との「終極統一」を掲げる最大野党・中国国民党に対し、「独立」が党是の与党・民主進歩党の謝長廷候補は馬陣営が抱える矛盾を突く。両陣営とも「武力弾圧」を批判するが、チベット騒乱は中台両岸関係の複雑さを改めて浮き彫りにした。
国民党の従来の路線に沿えば、チベットは中華民国の領土に含まれる。「チベット独立」を支持する民進党とは異なり、馬氏は「中華民国」の総統としてチベットの独立を認めるわけにはいかない。
これを捕らえて民進党側は、連日、一党独裁が生む中国の政治的脅威を際立たせ、チベット擁護の緊急集会を各地で開催した。謝氏は「チベットの今日は台湾の将来だ。馬氏が当選すれば台湾総統は軟弱化する」などと攻勢を強め、中台の「共同市場構想」など対中融和を原動力に「台湾再生」を目指す馬氏を牽制(けんせい)した。
これに対し馬氏は今月17日の会見で、国際世論と協調する姿勢を表明したのに続き、翌18日、チベット騒乱をめぐる中国の横暴を批判する声明を発表。6項目にわたる声明では(1)チベット人への武力鎮圧について台湾人民、全世界とともに中国共産党を叱責(しっせき)する(2)友邦にチベット人とダライ・ラマ14世への声援を呼びかけ、中国共産党に武力鎮圧の停止とダライ・ラマとの対話を要求する(3)鎮圧が続き、情勢悪化があれば当選後、北京五輪のボイコットも排除しない−としたが、今後、チベット問題が中国当局との対立点となる可能性も指摘される。