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中国の少数民族政策にほころび (2/2ページ)
しかし、当局が強調する優遇政策が、少数民族が抱える不満を解消するには程遠いことは明らかだ。当局側が発表した数字でも、1990年代以後、新疆ウイグルを中心に、すでに200回以上の少数民族の分離独立派による破壊活動が発生、死者は計200人に及んでいる。優遇政策をはるかに超える少数民族の不満が、さまなまな所で爆発している。
中国とは別に独自の代表を五輪に送りこむ運動をしている「チベット五輪委員会」(本部・スイス)は優遇政策について、「少数民族の置かれている実態を見えなくするまやかしだ」と厳しく批判している。
13億以上の人口を持つ中国には計56の民族があり、そのうち約92%は漢族が占めている。建国以後、中国政府は少数民族に対し自決権、分離権を認めず、事実上漢族の支配下に置いた。現在、新疆ウイグルやチベットなど5つの少数民族自治区があるが、最高責任者である党委員会書記はいずれも漢族出身の幹部が占めている。
また、当局は共産主義思想を半ば強制的に少数民族に植え付け、封建迷信をなくすとの名目で民族宗教にも介入、聖職者を追放して寺院の財産を没収するなどした。反抗するものを分離独立分子とみなし、徹底的な弾圧を加えた。
高圧的な政策は、1970年代末まで当局から見ればそれなりの効果をあげた。しかし80年代以後、改革開放に伴い拝金主義が中国全土で蔓延(まんえん)し、共産主義イデオロギーによる統治は急速に効力を失った。また宗教自由化の動きの中で、民族宗教の影響力が再び拡大している。沿海部と比べて内陸部の少数民族居住地の経済は遅れ、漢族との格差がますます広がったことも不満に拍車をかけた。
少数民族地域への漢族が大量に流入し漢族による資源の収奪も始まった。少数民族は漢族に対する危機感を強め、これが民族意識も強めるという循環になっている。