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【産経抄】3月21日

2008.3.21 04:02
このニュースのトピックス東国原知事

 6割の高校生が宮崎県の位置を間違えた、との日本地理学会の調査には考えさせられた。テレビで東国原英夫知事の顔になじみがあっても、そこから、宮崎県がどんなところか、といった興味に結びつかない。関心があるのは、自分の周辺のことだけ。

 ▼そんな現代の若者の姿が浮かび上がってくる。遠いイラクの正答率が、高校生で25・6%、大学生でも50・2%にすぎないこともうなずける。チベットが調査対象に入っていたら、もっと低い数字が出ていただろう。

 ▼その中国チベット自治区で起きた騒乱は、甘粛、青海、四川など各省にも広がっている。外国メディアの立ち入りが一切認められず、実態が伝わってこないのがもどかしい。対話を呼びかける、チベット仏教最高指導者のダライ・ラマ14世に対する、中国側の敵意の激しさにも驚く。

 ▼「生きるか死ぬかの血みどろの戦い」を続けるそうだ。1959年の「チベット動乱」以来、中国当局の弾圧による犠牲者の数は120万人を超えるといわれる。その歴史をふまえれば、「平和と友好」という五輪の理念がなんとむなしく聞こえることか。

 ▼それなのに、国際オリンピック委員会は、北京五輪の聖火リレーを予定通りチベットを通過させるつもりだ。来月には長野市でリレーが開催される。その記者会見が、なごやかな雰囲気で行われたことを、19日付運動面の記事が伝えていた。別のページでは、ドイツ選手の間で、不参加の声さえ出ていることを報じているのに。

 ▼福田首相のチベットについての発言も、相変わらず人ごとのようだ。別に五輪のボイコットを呼びかけているわけではない。若者に限らず、日本人の多くが、海の向こうの悲劇に鈍感すぎないか、と思うだけだ。

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