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【五輪の中国】第2部 矛盾経済(3)一流企業へ“黒船”に挑む (2/2ページ)
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1週間に約10店舗のペースで中国国内の販売網を広げているアディダス、ナイキという“黒船”に、果敢に挑んだ中国メーカーがある。1984年のロサンゼルス五輪体操男子の金メダリスト、李寧氏が設立した最大手「李寧」である。
李寧は五輪スポンサーの座をアディダスなど外国企業と争った。しかし、結果は敗北。李寧側は「(アディダスなどに比べ)会社の規模が小さく、巨額の財源を投入することができなかった」と当時を振り返る。
それでも、独自の戦略を展開してきた。卓球や体操、射撃、飛び込みといった金メダル獲得が有望視される中国代表を支援し、米プロバスケットボール(NBA)のスター選手やスペイン、アルゼンチンの五輪代表団ともスポンサー契約を結んだ。何より効果的だったのは、中国中央テレビ(CCTV)との契約だろう。
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昨年からCCTVのスポーツニュースを伝えるキャスターや記者は、左胸に李寧のロゴマークが入ったジャケットやシャツを着ている。今年1月1日からは、スポーツチャンネルの名称を「CCTV奥運(五輪)」に変えた。「李寧」のロゴマークは視聴者のまぶたに焼きついている。
そのかいあってか、1月に中国の英字紙チャイナ・デーリーに掲載された「五輪スポンサーの認知度」の世論調査結果では、李寧がスポーツウエア分野でアディダスを抑え首位を奪った。
ただ、これにはオチがある。実は、回答者の70・9%が李寧を公式な五輪スポンサーだと誤認していたのだという。
李寧の株式時価総額は、昨年1年間で130%以上も増え、38億ドルを超えた。株式時価総額でナイキ、アディダス、プーマに次ぐ世界4位に躍進した李寧は「18年には世界のスポーツ用品メーカーの5強に入りたい。北京五輪は李寧の挑戦の第一歩。われわれの目標は国際的なブランドの仲間入りを果たすことだ」と鼻息が荒い。
ただ、知名度や株式の時価総額と、消費者の購買意欲とは比例しない。「18歳の息子はナイキが好き。数年前までの李寧のデザインはやぼったかった。余裕のある家庭の子はナイキやアディダスを買う」とは、北京市内に住む40代の男性。李寧を「偽ナイキ」と呼ぶ口の悪い消費者もいる。李寧のロゴはナイキのそれとそっくりだ。
「一流」の証明を獲得する五輪ビジネスの戦場で、中国メーカーも生き残りをかける。(北京 川越一)

