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【主張】チベット暴動 民族政策を改めるべきだ
中国チベット自治区の区都ラサで14日、大規模な暴動が発生し、多数の死傷者が出た。8月に北京五輪を控えた中国にとっては大きな痛手だが、民族間のあつれきは新疆ウイグル自治区でもくすぶっている。
胡錦濤政権は「調和社会の建設」を唱えているが、今回の暴動は民族間の調和がいっこうに進んでいないことを改めて見せつけた。胡政権は事態の平和的収拾を急ぐと同時に、従来の民族政策を根本から見直すべきだ。
チベット人の抗議行動は1959年3月のチベット暴動から49年たった10日に始まった。「チベット独立」を唱える僧侶ら数百人規模のデモ隊と公安当局の衝突が次第にエスカレートし、14日の惨事に至った。新華社通信は暴動で「10人死亡」と報じたが、「80人以上の可能性がある」との住民証言(ラジオ自由アジア報道)もある。
チベットでは89年3月にも大規模暴動が起き、当時の胡錦濤・自治区党委書記が中央政府に戒厳令の発動を働きかけ鎮圧した。胡氏は「果断な対応」をトウ小平氏に評価され、国家指導者への道を踏み出すことにもなった。
胡政権は発足当初、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世(インド亡命中)との対話に柔軟な姿勢を示していた。ダライ・ラマ14世も中国の主権下での「高度な自治」を求める姿勢に転じ、本格的対話再開への期待がもたれたこともあった。
しかし胡政権はこのところ再び独立への警戒を強め、弾圧を強化していたという。昨年11月来日したダライ・ラマ14世も本紙との会見で「自治区の情勢がここ数年で最も緊張している」と語った。一方では国の資金を重点投入して経済発展に力を入れていた。
閉塞(へいそく)感を強めたチベットの独立派勢力は、北京五輪年の抗議行動を通じて胡政権や国際社会に民族政策の転換を求めたとみられる。新疆ウイグル自治区でもイスラム独立派のテロが頻発しており、当局は五輪時のテロ対策に神経をとがらせている。
共産党政権の民族政策には、大きな問題があると言わざるをえない。民族の存立基盤である独自の宗教や文化の尊重がおろそかになっていないか。権力やカネの力では、民族の反乱を食い止めることはできないだろう。