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【五輪の中国】第2部 矛盾経済(2)偽物が本物に勝つ? (1/3ページ)
このニュースのトピックス:五輪の中国
早くも偽・五輪グッズが氾濫している。天安門広場付近では、粗悪なコピー商品が売られていた。オリンピックビジネスにおいて、何よりも守られてきたスポンサーや商標の権利保護にこれからどのような対策や処罰がなされるのだろうか =中国・北京市(撮影・奈須稔)故宮近くの地下道。夕暮れの雑踏にまぎれ、露天商が地べたにシートを敷いて、北京五輪のマスコット「福娃(フーワー)」のぬいぐるみを売っていた。
「幸運を呼ぶ子供」という意味のこの「福娃」は、30センチのサイズのものが1個30元(1元=約15円)。「北京2008年奥運会特許商品」「第29回オリンピック組織委員会特許授権製造」など、もっともらしいタグがついている。
手にとってよく見ると、縫い目には脱色した髪の毛が挟まり、顔の表情もパッとしない。
「これ、本物?」と聞くと、売り子の女性(45)が笑って問い返した。
「本物がほしいの? 安いのがほしいの?」
五輪特許商品専門店で同じ大きさの「福娃」人形を買うと、3倍以上の98元なのだ。
レイオフに遭い収入の道を閉ざされたこの売り子女性は、インターネットで偽「福娃」の製造元の携帯電話番号を知った。「もうけは1日に30〜100元。庶民だって五輪のビジネスチャンスにあずかってもいいと思う」
ネット上にあふれかえっている偽「福娃」メーカーの携帯電話番号の一つ、浙江省寧波市の工場を呼び出してみると、「5個が1セットで100元。注文は10セット50個1000元から。送料はこちらがもつよ」という。1個30元で売れば、10元のもうけになるわけだ。
この工場はもともと、中国刺繍(ししゅう)や伝統的な絹製品を製造していた。工場主は「偽物だけど、ほしい人もいる。本物の福娃は高すぎる」と、悪びれる様子はなかった。
