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【記者ブログ】食の安全学再び:真実とメンツの間にある問題 福島香織 (5/5ページ)
■もしも、という仮定は意味がないというが、かりに、事件発生当初、日本がどう振る舞っていたら、よりましな、結果が引き出されただろうか。私はやはり、事件発生直後、首相自らが中国の指導者に働きかけるべきではなかったかと思う。雪害も大変でしょうが、対日関係も大きいですよ、と。死者の出ていない、食品中毒問題なんて、13億人人口の中国にとっては、本来はほんとうにとるに足らない問題なのだ。だが、胡錦濤主席の訪日は決まっており、指導者レベルでは、日本の対中世論操作、つまりパブリック・ディプロマシーは中国にとってもかなりプライオリティの高い問題であるはずだし、首相直からホットラインがあれば、雪害対策がどんなに大変でも、彼らも真剣に考えたのではないだろうか。ギョーザ事件は、国内では真相究明をめざす刑事事件として扱う一方で、政治問題として、トップレベルでの外交的駆け引きはすべきだったろう。
■いや、本当は、福田首相は密使を派遣して、非公式にそういう話をしているんですよ、というなら、へえ、日本もやるな、と思うのだが、とりあえず今の段階で、胡錦濤主席、温家宝首相のいずれも、ギョーザ問題について何も発言していないから、あんまりやっていないんじゃないかな。この国では、ひとこと胡錦濤主席が何かいえば、ウヤムヤですますつもりの事件が一気に解決、なんてマジックもあるかもしれないよ?
■ただ、こういう問題を政治的外交的交渉にもっていくときに、中国相手に何より重要なのは、メンツの問題だろう。私は、このメンツ重視の考え方、きらいなのだが、とにかく中国様のメンツは、ガラス細工のように傷つきやすい。
■すでにメンツVSメンツの口水戦になっている状況で、どちらが、どうやって戦いの矛先をおさめるか。そう考えると、双方の世論の感情的問題、それと実質的な食の安全問題の面からみても、いったん禁輸措置、その間に、検疫強化の体制を双方整え、北京五輪前に「安全宣言」とともに解禁、という荒療治もありかもしれない。そうなると真実の追及なんてふっとぶ。だいたい、ニセモノ大国・中国においては、真実はいくらでも偽造できそう。そんなにこだわる必要ないかもしれない。
<2008/03/01 12:49>
▼「福島香織」の記者ブログ<北京趣聞博客 (ぺきんこねたぶろぐ)> http://fukushimak.iza.ne.jp/blog/
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