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【記者ブログ】食の安全学再び:真実とメンツの間にある問題 福島香織 (3/5ページ)
■日中関係筋によれば、この事件の方向性については、当初、中国政府内部でも意見がわかれていたらしい。ギョーザ事件発生当初、中央の指導者は雪害対策でめいっぱいだったため、日本で発生した死者も出ていない食中毒問題の影響力などに頭が回っていなかったということは確か。いまの胡錦濤政権が対日重視路線であることは確かなのだから、もし雪害がなければ、そして春節前というタイミングでなければ、指導者はもう少しマシなシナリオを練って描けていたかもしれない。
■ところが、雪害で忙しい中央からの明確な指示がないまま、河北省検査検疫当局が地元国営企業を守るために、そして国家品質検査検疫総局が五輪直前の食の安全への信頼を揺るがしたとする自己責任を回避するため、工場での混入の可能性はナシというシナリオをやや先走って描いていた気がする。
■公安当局は独自に捜査しており、ひょっとすると、容疑者の手がかりをつかんでいたかもしれない。そして、ひょっとしてそういう公安の捜査状況の感触は日本政府や一部の政治家は知らされていて、福田さんも「かなり核心にせまっている」といった見立てをぽろっといったのかもしれない。あくまで想像ね。でも、首相があそこまでいうって、何か根拠ありそう?
■一方、日本のジャーナリストが、退職した工場労働者を拘束して厳しく取り調べている、といったスクープ発言し、つづいて「中国の工場内部者の犯行」という見立て報道が日本メディアにながれはじめた。しかもそれが独自で中国語サイトをもっている共同通信社の報道だったものだから、メディア統制をうけている中国国内の読者の目にも多くふれてしまった。大公報、文匯報など、中国系香港紙まで、この見立てにそった報道をし、中国内でも、このセンで決着付ける気かと、いう観測がながれた。
■ところが、やはり中国政府内部も一枚岩ではないし、河北省サイド、検査検疫サイドとしても、すでに工場内で問題はなし、との結論にこだわるわり、ちょっとお、あたしのメンツをつぶす気〜?と、このムードに抵抗する力が台頭。これも想像ね。
■で、国家質検総局が共同通信の報道を否定する会見を開き、中国国内での混入の可能性は低い、生産安全管理上の問題はまったくない、と強く打ち出した。しかも、とくしま生協のギョーザのジクロルボスが、生協側が委託した害虫駆除会社の殺虫剤が原因であったとして、徳島県知事が事件終息発言をしたことを、会見中で引用。これを中国メディアがはしょって報じたため、「なんだ、毒ギョーザ事件は日本人の仕業か?」とネット世論が一気に日本批判ムードに。しかし、まだこの時点では、中国政府内部にも質検総局の会見について批判的な意見もあり(日中関係筋)、落としどころは、日中捜査協力の結果にかかっていた。
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