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【記者ブログ】薬の安全学再び:世界中の薬屋さんが中国無しに生きていけないって知ってた? 福島香織 (4/4ページ)
■おこるべくしておきた、薬害事件。しかし、こういった事件がおこりうる背景は、製薬分野にかぎらないだろう。食品、玩具、衣料、あらゆるメードインチャイナが似たような問題をかかえ、すべての中国メーカーがそうだ、とはいわないが、少なからぬ企業が、いつ健康被害事件などを引き起こしてもおかしくない要因を内包する。しかも、それが消費者の信頼がよせられている国有企業ブランドだったり、当局のお墨付きだったり、HACCAP認証を取得していたりする場合もないとはいえないわけだ。
■この引用記事から読み取れる問題点を整理すると、
(1)低コストを追及するあまり、必要なモラル・責任感が失われ、マニュアル、規則違反がおこりやすい労働環境。
(2)問題が起きたときの対応の遅さ。原因究明の調査能力の低さ。
(3)(2)の背景としての、中央、地方、企業の連携のなさ。
(4)企業(ときに地方政府も)の隠蔽体質
(5)社会主義市場経済という特殊な市場経済の事情。国家の価格統制などの介入や、市場原理による低レベル企業淘汰機能の欠如など。
(6)消費者への保障システムの不備。
■中国は、対外輸出用産品の安全、国内用産品とは違って、パーフェクトな管理で細心の注意を払っている、だから大丈夫だ、と言い続けているが、国内でこのような事件が相変わらずおきていると、説得力がない。というより、私の個人的意見としては、ふつう国家とはまず、自国民を守ることを最優先するもんだよ、といいたい。食品・医薬安全に関して、中国当局の説明を聞けば聞くほど、自国民の安全より対外輸出用製品の安全を優先している、と聞こえるし、それは、すなわち経済利益のために自国民を軽んじている、というふうに思える。つまり国家そのものが拝金主義的性格。
■へんなたとえだが、自分の家族を大事にできない男が、外でいくら有能で金を稼ぎまくっても、誠実ぶってオレを信用してほしい、とかいっても、所詮こいつは、人を人とも思わない自己中男だな、あたしを利用したいだけだな、と思うだろう?ふつう。
■しかし、世界は製造コストが安い、という理由で、そういう中国の製造業に、日常生活で必要なあらゆるものを頼っている。とりわけ人々の健康の源となる食品、医薬品の製造を、拝金主義の自己中の国の手にゆだねているわけだ。やっぱり、冷静に考えると、これでいいのか、と思うよね、ふつう。
■じゃあどうするか、というと、悩ましいのだが、そういう中国に頼るのをやめる、あるいは、利用されても傷つけられてもいい、中国様に黙ってついていくわ、と思い切れないなら、やはり中国に多少変わっていただく働きかけ、というのも必要だろうと思う。たとえば、中国が自国民を大事にする、信用にたる国に変わってもらうには?それは多少なりとも、監督システムや司法の独立による法治、メディア機能の変革や、市場経済による健全な企業淘汰など、政治制度とかかわる改革が必要で、あんまりいいすぎると、また内政干渉とかいわれるかもしれない。が、実は中国製医薬品や中国産食品の安全は、そういう国の体制にも要因がある、けっこう奥の深い問題だと、最近思う。日中友好というかけ声だけや、相手を刺激しない事なかれ主義では、解決しないのだよ、たぶん。
■あ、ところで日本は自国民を一番大事にする国だったっけ?しばらく日本に帰っていないので、よくわかりません。
<2008/02/20 03:09>
▼「福島香織」の記者ブログ<北京趣聞博客 (ぺきんこねたぶろぐ)> http://fukushimak.iza.ne.jp/blog/
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