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【記者ブログ】薬の安全学再び:世界中の薬屋さんが中国無しに生きていけないって知ってた? 福島香織 (3/4ページ)

2008.2.21 23:14
このニュースのトピックス福島香織の北京特派員記者ブログ

■一方、独自調査を行ってきた国家食品医薬監督管理局(北京)は、制がん剤シタラビンも問題ありとの調査結果を8月当時すでに出していた。不幸なことにその8月、シタラビンを投与された患者がやはり身体マヒの症状を訴えた。この患者の父親は、「なぜ真実をもっと早く発表してくれなかった」と怒りを隠せない。

■9月に、衛生省と国家食品医薬監督管理局はやっと、調査結果を発表。問題をおこした薬2種、メソトレキセートとシタラビンの中に、別の急性リンパ性白血病治療薬・ビンクリスチンが混入していたことが、重篤副作用を引き起こした原因ということだった。

■さらに、衛生省らは12月、華聯側に製造過程で重大な規約違反があったことを隠蔽していた疑いがあり、上海公安当局が目下調査中、と発表した。調査結果によれば、華聯側には5項目の工場規則違反行為があった。そのうち、もっとも深刻・悪質な違反は、工場で使いの残しの材料を完全廃棄しなかった上、薬の瓶詰め担当が貯蔵庫に放置されていた空瓶を集めて再利用していた、という点だった。

■さらに、問題なのは、中国の製薬現場では、一般に、完成品検査のときに、薬品濃度の合格不合格は検査するが、不純物混入を対象とした検査がされていない、ということだった。つまり、薬を特定してそれを対象しなことには、検査ができない、というわけだ。今回のメソトレキセート調査も2ヶ月たってやっと原因が判明したのは、専門家たちがこの問題で討論したとき、一人が副作用の症状がビンクリスチンのものと似ている、という指摘をして、ビンクリスチンを対象に検査してみたところ、それが検出されたからだった。

■結局、瓶詰め担当が、空き瓶に残っていたビンクリスチンをしっかり洗浄できなかったため、メソトレキセートなどにビンクリスチンが混入。それが200人近い患者に身体マヒという重篤な後遺症をもたらしたわけだ。上海医薬監督管理局は、この2種類の違法製造薬に関する華聯の収益8万元あまりを没収、116万元の罰金をかした。

■被害患者への賠償金問題には難しい問題がある。病院側は、この薬を使うとき、一部患者に対して、副作用、合併症などのトラブル発生時を想定して、「医療鑑定、司法鑑定請求の権利放棄」および「一時的に患者と病院の間に紛糾があっても、双方追及しない」という同意書にサインさせ、これに違反すると20万元の違約金支払いを患者に科していたからだ。

■メソトレキセートは市場需要の高い薬だが、じつはほとんど利潤が見込めない安い薬でもある。ワンパック5mmグラムの販売価格は6.02元。一般の製薬企業はどこも製造したがらない。上海医薬集団は国有企業として国家命令で、この薬を製造せざるをえなかった。生産コストを抑さえるため、工場作業員の給料も安く抑えねばならかった。華聯の一般工場従業員の給料は1500〜2000元を維持しているというが、副作用の大きな抗がん剤の生産現場にはしわ寄せがいっていた。

■上海医薬集団のある行政官はこう語る。「衛生省関係者がいうには、国有企業で、なぜ、こういう事件がおきたか。それは、(医薬製造が)割に合わないからだ。点滴液一本分の利潤はミネラルウォーター1本も変えない程度だ。(コスト低化のために)いくつもの薬を同じ生産ラインでつくっている。うっかり洗浄が甘ければ、つまり汚染の可能性があるということだ」

(4割くらいの目安で要約、引用以上)

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