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【記者ブログ】薬の安全学再び:世界中の薬屋さんが中国無しに生きていけないって知ってた? 福島香織 (1/4ページ)
■ウォールストリート・ジャーナルで、中国産原料を使って製造した米バクスター・インターナショナル社の血液抗凝固剤(ヘパリンナトリウム)の使用で、患者350人以上に重篤な副作用がでて、4人が死亡した、という報道があった。中国産原料との因果関係のあるなしは不明で、まだなんともいえない。が、19日、中国外務省の劉建超報道官は初めて、この件について言及し、「米国側から通報をうけ、目下調査中」と説明した。「FDA(米食品薬品局)とは、ずっと良好な協力関係にあり、具体的的協力方法などは、(カウンターパートの)国家品質監督管理検疫検査総局に直接聞いてほしい」とコメントした。
■昨年はパナマ咳止めシロップ中毒事件が発覚し、これはパナマ側にも罪が大きいということはすでに報道済みだが、また中国産医薬原料が問題なのか?という予断はどうしてもでてくる。でもね、人は予断によって自分の行動を決め、事態の悪化を防ごうとするから、あれこれ予想、推測することは大切なんだよ。
■この件自体は、ワシントン発の記事をまとう。だが、ちょっとこの個別の件を離れて、中国医薬・医薬原料産業の問題と、それに頼る世界の製薬企業について、今回のエントリーで紹介したい。
■ペニシリン、ヘパリン、テトラサイクリン…
全部頼っています。
食と薬の原産国として、世界中の人々の健康は中国の手にゆだねられている?!
■ヘパリン、とは血を固まりにくくする薬。血栓症の治療とか、手術中、手術後、血を固まらないようにするために使用する。これは豚の腸の抽出化合物が薬効成分なんだそうだ。世界の豚の半分を飼育している中国はこのヘパリン原料の主要輸出国でもあるそうだ。昨年上半期、中国ではこのヘパリンナトリウムを49トン(前年同期比19・22%減)輸出した。金額にすると、5758万ドル(13・36%増)。輸出量が減って、値段があがったのは、昨年の中国の豚の感染症流行が原因かな?輸出先はドイツ、米国、フランス、イタリア、オーストリアで8割以上を占める。中国の医薬品(漢方薬をのぞく)は国際社会でいまひとつ信用ないので、先進国の製薬会社に輸出して、先進国の大手製薬会社で完成されて、そのブランド名で売られるわけだ。でもその実、メードインチャイナなんだよ。
■もうひとつ例をあげるとペニシリン。中国はペニシリン工業塩という医薬原料の年間生産能力が2007年で7万トンある。ちなみに世界の年間需要は5万トン前後だから、中国のそれは、世界需要を遙かにうわまわる。つまり世界中で今使われているほとんどのペニシリンは中国製。以前は、ペニシリン工業塩をインドで二次加工していたが、最近はすべての工程を中国で行うようにかわってきている。
■このほか、メタミゾール(鎮痛剤)、カフェイン、水溶性繊維とか、塩酸テトラサイクリン(抗生物質)といった医薬の原料は、輸出量、輸出価格に変動はあるけれど、中国が主要輸出国のひとつとなっている。中国の医薬・保健関連輸出は近年成長しており、2007年の貿易総額は386億ドル、うち対外輸出は245・9億ドル(前年比25%増)。中国はすでに世界最大の医薬原料・原薬輸出国なのだそうだ。日本で使われているお薬も、原料、原薬の部分で中国産が少なくないのでは?
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