MSN Japanのニュースサイトへようこそ。ここはニュース記事全文ページです。

【記者ブログ】一人で中国は変えられるか?公益訴訟人の存在 福島香織 (1/4ページ)

2008.1.5 01:58
このニュースのトピックスメディア倫理

■中国社会には、小さな矛盾、大きな不条理があふれている。それを変えてゆくにはどうしたらいいか。かつての中国人は、上に政策あれば下に対策あり、の要領で、その矛盾、不条理に目をつぶりつつ、コネとカネとチエをしぼりつつ、自分自身がその矛盾や不条理に巻き込まれないよう世渡りしてきた。それが正しい道だった。

■しかし、それではいけない!と、思う人が最近現れはじめている。たとえば、昨年12月17日に会った●勁松さん(35)。人よんで公益訴訟人。彼は公益訴訟を次々おこして、法律をたてに社会の小さなゆがみをなおしていこうとしている。たとえば、06年は「鉄道省が春節に鉄道料金を臨時値上げするのは、価格法に違反し、不条理である」と主張し、鉄道省を相手取り裁判を起こした。

■06年まで、鉄道省は、帰省ラッシュのおきる春節前後の2週間ばかりの間、料金の臨時値上げをしてきた。鉄道省は、列車の本数を増やすなどして燃料費がよけいにかかるから、値上げするのだ、とその正当性を主張しているが、乗客が圧倒的に多いこの時期に値上げする必要がない、値上げするのは、鉄道省が金儲けをしたいだけだから、と●さんはいう。裁判自体は、鉄道省の主張がみとめられ原告敗訴だが、彼の行動が庶民の共感をよび、胡錦濤政権は07年の小さな不条理である鉄道春節料金値上げをやめさせざるを得なかった。

■さらに、最近の小さな不条理。「華南トラ写真捏造事件」。中国に20頭以下に激減している絶滅寸前の希少動物・華南トラの写真撮影に、陝西省の猟師が成功し、これを陝西省林業庁が、本物の写真と断定し記者発表。中国メディアが「幻の華南トラ、生存確認」と報道したのだが、公開された写真をみると、捏造写真疑惑が浮上。中国の写真家協会も「捏造写真」と断定した。しかし、メンツと利権のために陝西省林業庁はあくまで、本物、という判断を覆そうとはせず、事態はうやむやのまま幕引きされそうになっていた。●さんは、「公民の知情権(知る権利)を守る」として、陝西省林業庁の上部機関である国家林業局相手に、陝西省林業庁の行政行為(記者発表)取り消しを行うように求める行政訴訟を、北京市第2中級法院に起こしている(最初の起訴は棄却され上訴中)。

■彼の話は、SANKEI EXの持ち回りコラム「中国を読む」で記事化したが、もっと多くの人に奮闘している●さんのことを知ってほしい。自分ひとりの損得、金儲け、保身ばかりを考え、社会の不条理を見て見ぬ振りをする人たちが圧倒的に多い中国にも、実はこんなツワモノがいるのだと。12月17日夜、夕食のテーブルをかこみながら、彼と交わした対話のほぼ全文紹介する。

■一人の力で社会の不条理はただせるか?

●勁松の挑戦

■福島:私、前に●さんの記事書いたことありますよ。鉄道省の春節料金値上げ裁判。あの訴訟は敗訴でしたが、事実上の勝訴でした。すごい人がいるなあ、と感心しました。●さんのブログも読んでいて、ぜひ会いたいと、前から思っていた。今は、何の問題で闘っているんですか?

●勁松:「華南トラ捏造写真事件」ですよ。といってもまだ、裁判所からの受理通知が来ていないんですけど。(この後、裁判所から起訴条件を満たしていない、との理由で棄却通知がくるが、●さんは上訴)。

■福島:華南トラ写真は外国メディアも注目していますよ。だって、段ボール肉まん事件で「捏造報道禁止」というお触れを出しておきながら、あんなバレバレ捏造写真を公式発表で本物と断定して、シラを切っているんですから。あの事件はどんな背景があるんですか?

●:写真を撮影した猟師、周正龍氏、かれは小ものに過ぎません。彼の背景には別の組織があるんです。私はこの事件の調査中、地元当局による組織が背後にあることを突き止めました。あの写真は周氏が撮影したものではなく、地元当局が国家林業局からカネを要求するために、しくんだものですよ。つまり陝西省のあの地域を華南トラ自然保護区にして、2000万元の予算をせしめるための。当局はあの地域をずっと、自然保護区に申請したかったのですが、肝心のトラが見つからない。それで、トラのパネルをおいて撮影したのです。

PR
PR

PR

イザ!SANSPO.COMZAKZAKFuji Sankei BusinessiSANKEI EXPRESS
Copyright 2008 The Sankei Shimbun & Sankei Digital
このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。